「インタビュー営業術」と交渉術に見る共通項(前編)

2009.01.13

ライフ・ソーシャル

「インタビュー営業術」と交渉術に見る共通項(前編)

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

竹林氏の『顧客を動かす!インタビュー営業術』を拝読して、インタビュー営業術と交渉術との共通項に打たれた。自らの経験から学んだ三原則とは?・・・前編は「第一の原則」から。

年初めの読書に、竹林篤実氏の『顧客を動かす!インタビュー営業術』を拝読した。「営業とは売り込みではなく、聞き込みである」という主張と、そのノウハウが、竹林氏自らの経験に基づいてわかりやすく、時には面白おかしく解説されていて、随所随所でうなづきながら読ませてもらった。

「自らの経験」といえば、私は仕事柄、日本企業に依頼されて米国企業と交渉したり、聴き込みをしたりということを長年幾度となくやってきた。竹林氏の本を読んでいて、同氏のいう「インタビュー営業術」と、「交渉術」の間には実にたくさんの共通項があるなあ、ということを考えさせられた。

共通項その1
【まず、相手についてじっくりと調べる】


竹林氏の本の中では、「事前に相手のことを調べられるだけ調べること」の大切さが、「何を調べたらよいか」ということも含めて、丁寧に述べられている。

これは、交渉についても共通して言えることだ。例えば、ある企業と提携したいとする。しかし、いきなりドアをノックして、「提携してください」と切り出すのはどうか。恋愛でいうと、こちらが一方的に燃え上がって、相手の女性に彼氏がいるのかどうかを調べようともせずに、いきなり告白するようなものではないのか。

相手の企業がおかれている状況、というのを、アタックする前に良く把握しておく必要がある。どういう理念を掲げて、どういう戦略を展開している会社なのか。市場での評判はどうか。経営陣はどんな人たちか。どういう組織構成になっているのか。先方が抱えている、今、一番の課題は何か。海外進出についてはどう考えているのか・・・。

また、交渉の事前調査で極めてクリティカルなこと。それは、「担当者は誰か」ということだ。

アマゾン、スターバックス、ディズニー等など、今までいろいろな会社と交渉してきたが、上層部と面談をセッティングするとなると、まず、そのリクエストを入れるために正式なレターを書く。その際に、できれば初っ端から、最も適切な人の手にレターを届けることが望ましい。そうでないと、「私は担当じゃない」、「私には決められない」ということで、たらい回しにされたり、うやむやにされたりという危険性が高い。

担当者が誰かを突き止めるには、電話で聞き込みをする。ウェブサイトなどで公開しているのはだいたい総合窓口か、営業部、あるいは広報部などだが、最も的確と思われる番号に電話をかけてみて、明確にこちらの意図を説明し、どこにたどり着くかを見る。同じ会社の中をぐるぐると回されることもあるし、このプロセスに一週間以上を費やすこともある。しかし、訪問なり提携交渉なり、相手の会社の人と電話で話すことによって、相手の雰囲気や温度(興味があるのか、否定的なのか、猜疑的なのか)を見ることができるので、非常に有益だ。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「アメリカで『小さいのに偉大だ!』といわれる企業の、シンプルで強い戦略」(2016年4月、PHP研究所)、「未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。

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