プレゼンテーションの極意: 「沈黙は金なり」

画像: Michael Kappel

2008.12.02

経営・マネジメント

プレゼンテーションの極意: 「沈黙は金なり」

入野 康隆

資金調達のためのプレゼンテーションを支援させていただくことは多いのですが、 資金調達プレゼンの考え方についての要点をまとめ、 最後にプレゼン用のパワーポイントテンプレートをダウンロード提供します。

試しに、3秒黙ってみてください。

試しに、話の途中でペットボトルのふたを開けて水を飲んでみてください。

話し手本人としては3秒は永遠のように感じますが、
聞き手にとってはそんなに気にならないのです。

■ 同じ内容を繰り返し話すことに話し手本人が飽きる

資金調達プレゼンは通常は10社以上に対して行うので、
経営者にとっては同じプレゼンを複数の人に何回も何回もすることになります。

なので、同じプレゼンに話し手本人が飽きてきて
重要な内容を省略したり、強調するのを怠ってしまうケースがたまにあります。

【言いたいこと】 ⇒ 【説明や例】 ⇒ 【言いたいことを再び】
というように、重要なポイントはひつこく繰り返すことがプレゼンでは重要です。

一人一人が重要な投資家なので、
同じプレゼンでも重要なポイントは丁寧に繰り返してプレゼンしましょう。

■ 相手をよく見ていない

プレゼンは自分の言いたいことを言う一方的なコミュニケーションではなく、あくまで交渉の第一歩です。

・ 相手の目線を追っていない
・ 相手がメモをとったページやタイミングを覚えていない
・ 相手が質問したげな表情をしたタイミングを見逃す

などのケースが散見されます。

プレゼンターがプレゼンをすることに手一杯で、相手を注意深く観察できない場合は、
フォロー担当者が相手をよく観察するべきです。

===== 上級者の使うテクニック ========================
 

■ プレゼンの目的を明確に意識する

資金調達プレゼンにもいくつかの目的があります。

・ 担当者の顔合わせ、会社や商品、ビジネスモデルについて知ってもらうだけ
・ 担当者に社内の投資委員会を説得するために行動してもらう
・ 事業計画のブラッシュアップのために、投資家から知恵を引き出す

先方の担当者が若手ならば、「上司の執行役員へレポートを書きやすくしてあげることが目的」と瞬時に察知してプレゼン内容を変えてしまう上級者もいます。

ある上級者は「ビジネスプランの資本政策セクションについて金融専門家の意見を吸い上げるあげることが目的」と瞬時に察知して、プレゼンをフリーディスカッションの場へと変えてしまいました。

・ このプレゼンが終わった瞬間にどういう状態になっていたいか
・ このプレゼンが終わった後の次のアクションは何か

を明確に考えることがポイントです。

■ 最初の10秒で場の空気(≒投資決定)を決めてしまう

資金調達プレゼンは不思議と最初の印象でほとんどの勝負がつきます。

2回、3回とミーティングを重ねても、不思議と第一印象のいい相手からしか資金は調達できません。

第1回目のミーティングは取り返しがつかない厳しい世界ですが、
上級者にとってはチャンスなのです。

・ 自然で適切なジョーク
・ 舞台に駆け上がることで、生き生きとした高揚感を出す
・ 相手と共感できるネタをすぐに見つける
・ 部屋の照明を工夫する

などの自分のスタイルや相手のスタイルに合った場の空気の作り方を上級者はよく知っています。


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