トヨタの強さはクレドにある

2008.10.07

経営・マネジメント

トヨタの強さはクレドにある

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

トヨタ自動車の調達担当常務のお話をお聞きして感じたトヨタの強さの秘密とは?

先日、日本能率協会さんが主催する「2008調達・購買革新大会」で
トヨタ自動車の調達担当常務の増井様の特別講演を聞く機会がありました。

たいへん感銘を受けましたので今回はその話をしたいと思います。

タイトルは「調達におけるトヨタウェイ」というものでしたが、
内容としては
「トヨタは特別なことをやっているわけではない。
色々な活動をしているが、それはどんな会社でもやっていること。
トヨタの調達の強さは単にそれを
『地道に、愚直に、徹底的にやりきる』こと」だとおっしゃっていました。

以前、「GEとトヨタ」という世界的な超優良企業二社の違いと共通点について
書いたことがありますが、その時に私は二社の共通点は
「当たり前のことをやる、決められたことをやる力」だと述べましたが、
正にこの文化は今も全く変わらないな、と痛感しました。

一方で今回の増井様のご講演の中で、もう一つ新たな発見をしました。
それは「クレド」です。

「クレド」というと聞きなれない言葉かと思いますし、
トヨタ自動車さんの中で「クレド」という言葉は使っていないと思います。
「クレド」で有名なのは米国の製薬メーカーである
ジョンソン&ジョンソン社の事例です。

クレドとは「信条」を意味するラテン語で、
「企業の信条や行動指針を簡潔に記したもの」を指します。
ジョンソン&ジョンソン社は「マイクレド(我が信条)」の中に、
4つの利害関係者(顧客、社員、地域社会、株主)に対する責任を明記し、
行動指針は21項目の具体的な行動指針を定義しています。
1982年に起こったタイレノール事件への対応を
クレドに則って行った事例はあまりにも有名です。

クレド(信条)は分かりやすい行動指針でなければなりません。

今回のトヨタさんのご講演の中でもたくさんの言葉がでてきました。
・トヨタウェイに謳われる「人間性尊重」と「知恵と改善」
・「世界一の調達基盤の構築」
・「期待値・表彰制度」
・「オープンドアポリシー」
・「相互信頼に基づく相互繁栄」
・「イコールパートナー」
・「地域社会への貢献」
・「長期安定取引」(コストの裏付けのない低価格は長続きしないという点から)
・「現地現物」
・「CF活動」
・「一体活動」
・「横拡げ・深掘り」
・「自工程完結」
・「自働化」
・「原価のつくり込み」
・「棚入れ」
・「四位一体活動」
等など。
こういう言葉が普通に共通言語として使われているのです。

これらの言葉をクレドと言っていいのかどうかという点はあるものの、
素晴らしいのはこれらの言葉が共通言語として社内だけではなく、
グループ企業やサプライヤとも共有されている。
社員一人一人がこれらの共通言語や信条に従って
業務を遂行しているという点は間違いないと思います。

思い返せばGEも全く同じでした。
「シックスシグマ」「ワークアウト」
「インテグリティ」「バウンダリレス」「ダイバーシティ」・・・

共通言語や共通の信条を持ち、
それを「地道に、愚直に、徹底的にやりきる」こと。
トヨタの強さの源泉を改めて垣間見ることができました。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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