「飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題だ」

2008.08.29

ライフ・ソーシャル

「飲むべきか、飲まざるべきか、それが問題だ」

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

ハムレットよろしく悩んでいるのは禁酒の話ではない。禁酒など、悩むまもなく朝に誓ったその夜には破ってきたのが、成人してから20余年の人生である。

前出のシカゴの例では<「冷やす」というのがポイントで、「生あたたかい水道水だと気持ち的に美味しくない」ので冷やすと抵抗がなくなる>ということで、<冷やされたプラスチックの水入れからゴクゴク飲んでいる>という人も増えたようだ。

そのための道具も増えてきた。象印は「マイボトルを持とう」と呼びかけている。
http://www.zojirushi.co.jp/cafe/index.html
ベネトンもさらに力を入れてきた。
<ベネトン・エコシリーズに新商品! カラフルな「マイカップ&マイボトル」を持って出かけよう>
http://greenz.jp/2008/08/27/benetton/

どうやら、ペットボトルの水を「飲むべきか、飲まざるべきか」では、環境意識の高まりから、水道水が形成優位になって、「水道水を(浄水して冷やして)飲むべき」なりそうだ。加えて、シカゴの例では<食料品やガソリンの値上げ。市民の財布のヒモはきつく、かたくなってきている>という背景がある。日本でも同じだ。
だとすると、マイボトルを「持つべきか持たざるべきか」で悩むことになるのだろうか。
いやいや、マイボトルが当たり前になれば、「どんなマイボトルにしようかな」と楽しげな悩みになるのかもしれない。

最後に、「浄水・冷却した水道水をマイボトルで飲む」の普及をロジャースの普及要件で整理してみよう。

■相対優位性
ペットボトルに比べると安い。味・安全性はデータによれば大差ない。(雑菌混入などのリスクは水道水が少ない。消毒の薬剤はかつてより極めて微少とされている)。
■両立性
ミネラルウォーターが飲みたい時や、マイボトルが邪魔な時は、ペットボトルを買えばいい。両立性は確保されている。
■複雑性
複雑さは全くない。ただ、単に買えばいいペットボトルと、浄水・冷却やボトルのメンテナンスはちょっと面倒かも。但し、「どんなボトルを選ぼうかな」という複雑ではないが、選択の楽しみはあるように思う。
■試行可能性
マイボトルをまず買わなくてはならないというのは、ちょっとしたハードルになるだろう。まずは、空きペットボトルに浄水器から水道水を入れて、冷蔵庫で冷やして飲んでみることから始める感じだろうか。試してみると、やはり、シカゴの例ではないが、驚くほど抵抗はなかった。
■観察可能性
「効果の観察・実感」はなかなか難しいが、完全に実行すると、週に一度、たまったペットボトルを踏みつぶして、回収ボックスに持って行く時の量を見て良心の呵責に苛まされることはなくなるだろう。それは確かに観察可能な効果であるといえる。

・・・さて、週末にマイボトルをちょっと物色してみようかな。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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