HCC:失敗は成長の教材です

 あなたの職場は、「時間がない」「面倒くさい」などといった理由で部下や後輩の失敗に触れずに受け流していませんか。

 しかし、部下が自分の行動が会社や取引先などに迷惑を掛けてしまったことを知り失敗したことを認識した時というのは、何かを改善しなければいけないと本人自身が深く思っている時でもあります。まさに、自立的成長の絶好のチャンスなのです。

 実際には大した損害ではなかったとしても、本人が改善したいと思っている機会を逃すのは勿体ないです。今思うと赤面したくなるような失敗が、ステップアップの契機になった経験のある人は多いのではないでしょうか。

 上司は、「この失敗を成長するチャンスとして利用しよう」と部下にコミットメントしてください。

 これは、絶対に省略しないでください。このコミットメントは上司が自分の言動を自制することにもなります。

 自分のミスについて、あれこれ話し合うことは、一歩間違うと部下に「上司に責められている」と思われるリスクがあります。上司は部下にコミットメントした限りはそれを守ってください。約束違反は即、部下からの信頼を失いことになります。

 失敗と向き合うスタンスを上司と部下の双方が確認して、 「失敗に注目するのは、成長のためであって、それ以外に意図はない」というコンセンサスを得たらスタートです。

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 ●何が問題だったのか?

 まずは、部下自身に今回の失敗を整理させることです。繰り返しになりますが、これは部下を責めている訳ではありません。「褒めて伸ばす」と言いますが、ここで失敗に触れずにいては、成長効果は半分以下になってしまいます。

 次に、

 ●誰に、どんな影響を与えたのか?

 これは、部下本人だけでなく上司と一緒に検討するといいでしょう。部下が気づいていない意外な人に意外な影響を与えていることがありますので、そこは上司が教えてあげるといいと思います。

 ●今回の一件で、何を学んだか?
 ●もし、また同じようなことが起こったら、どうすればいいのか?

 自立的成長のためには、部下が自問する時間は大切です。上司は、部下が自問するのに役立つ問いを投げ掛けてください。

 上司の問い掛けの後の沈黙は、部下が思考中であることのサインです。上司は語ることを我慢してください。

 どうしても語りたいことがあったら、部下が答えを出した後で、「一個人の参考意見」として伝えましょう。これは、あくまでも「参考意見」です。強制するものであってはいけません。ホンモノの部下の成長を望むのなら、部下が上司の参考意見をどう扱うかは部下に任せてください。もし、部下が参考意見を上司から指示や指導と受け取るようなら、その参考意見は不要です。

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