新しいドコモの戦略に、喝っ!

2008.07.17

営業・マーケティング

新しいドコモの戦略に、喝っ!

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

新しいドコモのCIの評判がよろしくない。 ソフトバンクの元気に比べると、ニュースがない。 手のひらに、明日をのせて・・・ それが、ほんとに、ユーザーの期待していることなのか・・・考えてみたい。

昨年、「さあ、反撃していいですか」と始まったドコモ2.0キャンペーンは、鳴かず飛ばず。ユーザーより、他のキャリアを意識していますという宣言で始まる独りよがりなキャンペーンを多額な費用でやっていたかと思えば、今春には、全く真逆の新しいCI戦略のはじまりはじまり・・・。

これからのドコモが目指すこと
それは、人と人、人と明日を、新しい絆でつないでいくこと。
そのためにまず、
一人ひとりのあなたと、きちんと向き合い、関わり合うことからはじめます。

昨日までできなかったことを、次々とかなえながら
それぞれが今、いちばん必要としていることに、真っ先に応えること。
そして、あなたが生きていく今日を、明日を
もっと気持ちよく、もっとあなたらしくしていくこと。

ドコモは、一人ひとりの手の中で
その毎日を一緒に歩いていこうと思います。
そして、あなたを自由な明日へと導く、新しい扉になろうと思います。

「手のひらに、明日をのせて」
良いこといってるようだが、何もいってない・・・
良くある企業スローガンの典型である。
さらには、ロゴが、全部小文字に変身。
その新しいコーポレートブランドが、受け入れられたかと言えば、結果は、80%のユーザーが、昔のロゴの方が良かったと答えている。

やることすべてがダウンサイジング。
ちっちゃなアンサーを、ユーザーは、ドコモに求めていない。
残念ながら、言うことなすこと、「小さくて、辛気くさい」ってわけだ。

ケータイ電話の普及は、圧倒的な便利を手に入れた替わりに・・・
1回1回のコミュニケーションの質の低下を促進させている。
簡単に、安く、どの時間でも繋がれるインフラの整備は、
どうでもいいコミュニケーションの量を増大させているわけで・・・

もうユーザーも、そろそろ気がついている。
日々、ケータイで、たいしたこと話してねぇーなー。
どうでもいいことばかりコミュニケーションしているなぁー。
ドコモのCMに出てくるような、
意味ありげなコミュニケーションって、何百回に1回程度じゃんって。

そのリアルな意識が根底にあるからこそ、
対するソフトバンクの「予想Guy」や「犬のホワイト」は、
爆発的に受け入れられるのだと思う。
その空気を読めずに、辛気くさい方に向かうドコモは、
中々結果がついてこない。

お客様主導の市場戦略。
お客様の共感を獲得するための囲い込み戦略。
今どきの、大概の、マーケティング戦略の企画書にしたためられている
「パーソナル化」の方向性を、
少し疑ってもいい時代に突入しているように思う。
そもそも、
「お客様の共感を獲得するために・・・」という物言いもおこがましい。

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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