待ち時間を売るUSJ

2008.07.02

営業・マーケティング

待ち時間を売るUSJ

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

USJの新しいサービスが好調だ。題して「食べ乗りキャンペーン」、お客さんはレストランで食事しながら、アトラクションの待ち時間を過ごすことができる。一方でUSJもちゃっかり稼いでいるのだ。

しかし、誰もが『エキスプレス・パス』を買ってくれるわけではない。そこで考えた二の矢が、この「食べ乗りキャンペーン」なのだろう。

ながら時間消費で稼ぐ

うまいなと思うのは『エキスプレス・パス』同様に、時間価値を重視する今のお客さん心理をきっちりとついていることころ。誰だって待ち時間なんて、なければ良いに決まっているのだ。仮にどうしても待っていなければならないのなら、その時間を有意義に少しでも有意義に過ごしたいと思うはず。それなら食事をしていただきましょうというわけだ。

であるなら、食事をしていただきましょうの「食事」の替わりに、●●を入れたとしても、このサービスは成立するはずだ。特に土日や夏休みなどにお付き合いで(というかおサイフ代わりに)引っ張り出されるおじいちゃん、おばあちゃん向けに考えられるサービスなら、すぐに思いつくものがいくつもあるんじゃないだろうか。

いずれにしても「待ち時間を売る」というのは、これからのマーケティングでは忘れてはならない視点だと思う。待ち時間をいかに楽しませるかというのが、これまでの発想だったとしたら、待ち時間まで売ってしまえというのは、明らかに次元の異なる考え方だ。USJ、意外にやるのである。


文中でふれた内容については下記を参考にしました。
日経MJ新聞2008年6月30日

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