チャンスをつかむ人、つかまない人 【3】

2008.06.19

ライフ・ソーシャル

チャンスをつかむ人、つかまない人 【3】

猪熊 篤史

チャンスをつかむ人とつかまない人、あるいは、チャンスをつかめる人とつかめない人について引き続き考えてみたい。

大リーグで活躍しているイチロー選手のコメントとして次のようなコメントを聞いたことがある。

人は自分にできることをすれば良い。自分にできること以上のことはできないし、また、する必要もない。

肩の力のぬけた、自然な言葉のようだが、イチロー選手のプレーに対するイメージや先入観から言葉の裏に強い意志を感じてしまう。

チャンスをつかむのも、つかまないのも各自の自由である。そもそも何を「チャンス」と考えるかは、各自の価値観、思考、感性などによるものであり、絶対的なものではない。

世の中はチャンスに満ちている。しかし、何をチャンスと考えて、どのチャンスをつかみにいくかは人それぞれである。

出来るならば自分の周りにあるチャンスを全てつかんだら良い。自分にもたらされる機会を拒むことなく、全て受け入れたら良い。しかし、残念ながらチャンスをつかむための資源は限られている。お金がかかる場合、お金を無限に投資し続けるわけにはいかない。また、時間も有限である。何に対して、時間、お金、エネルギーを注ぐべきかは慎重に検討されなければならない。

しかし、そんなに難しく考える必要はないかも知れない。好きなものを自然に選んだら良いだけであることも多いだろう。肩に力を入れて、眉間にしわを寄せて、脳みそがちぎれるほど考える必要はないかも知れない。多くの経験を積んだ人であれば直感的に判断できるものも多いだろう。

チャンスをつかむという行動のためには気力がいる。直感的に選択したものに強くコミットすることが結果的に良いこともあるだろう。世の中はそんな人々の直感の正しさのぶつかり合い、ぶつけ合いによって成り立っているようでもある。

チャンスをつかもうとしても、その良し悪しとは関係なく、直感のぶつかり合い、市場原理、自然淘汰などによって負けることがある。

世の中には絶対に負けない方法が一つだけある。それは勝負しないこと、行動しないこと、チャンスをつかもうとしないことである。

戦争で確実に利益を得るのは戦争の勝者ではなく、戦争に使う武器を売る商人だそうである。また、19世紀半ばにアメリカ西海岸で金が見つかったことによって起きた「ゴールド・ラッシュ」で財産を築いたのは金を掘り当てた人ではなくて、金を掘るための道具や環境を提供した商人だなどと言われる。

当事者よりはその周辺にいる人々の方が確実な利益を得ることがある。

勝者が100を得て、敗者が-100の損をして、勝率が五分五分であれば、勝負によってもたらされるであろう期待利益はゼロ(100×0.5+-100×0.5)である。また、勝者も敗者も勝負するためにそれぞれ費用が10かかるとすれば、勝者の利益は10減り、敗者の損失は10増えることになる。期待利益は費用分少なくなって-10となる(90×0.5+-110×0.5)。

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