秋葉原無差別殺傷事件に思う、勉強の意味。

2008.06.13

ライフ・ソーシャル

秋葉原無差別殺傷事件に思う、勉強の意味。

中土井 鉄信
合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表

東京・秋葉原で無差別殺傷という悲しい事件がありました。はじめに犠牲者の皆さんのご冥福をお祈り申し上げます。またその関係者の方に、お悔やみ申し上げます。 このような事件が、二度と起こらないような社会にしなければなりません。そのために、この事件で考えたこと思ったことを教育の側面から書きたいと思います。

◇下記のものは、6月4日に秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者本人が、
携帯サイトに書き込んだとみられるもの。
(読売新聞6月10日からの抜粋)

5時51分 親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親
に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧
5時52分 親が周りに自分の息子を自慢したいから完璧に仕上げたわ
けだ
5時53分 中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨てられた
5時55分 中学では小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた 中
学から始まった英語が極端に悪かったけど、他の科目で十
分カバーできてたし
5時57分 当然、県内トップの進学校に入って、あとはずっとビリ 
高校出てから8年、負けっ放しの人生
5時58分 自分で頑張った奴に勝てるわけない

◇この書き込みを見て、私は、この事件は、親に対する復讐なのではな
いかと思った。それほど、この書き込みには、子どもと親の断絶が感じ
られるし、子どもの親に対する憎しみが、感じられる。

◇加藤容疑者の両親は、教育熱心だった。この書き込みを見ると「親が
書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り」と親の勉強に対する
強い関与と子ども時代に勉強等で注目を受けたことが書いてある。

◇多分、その頃の加藤容疑者は、そんな自分と親の関係をそれほど気に
していなかったのではないだろうか。いや、むしろ歓迎していたのでは
ないだろうか。しかし、中学生になってからは、その親の勉強に対する
強い関与だけでは、小学校時代のように上手くはいかなくなった。
そして、〝自慢の息子〟の地位から段々外されていったのだろう。

◇だから、彼は、「中学生になった頃には親の力が足りなくなって、捨
てられた」と書いたのだ。この頃から、徐々に操り人形としての自分か
ら脱却しようとしたのだろう。高校進学でもきっと彼には葛藤があった。
このままでは、親の期待には応えられないと。

◇しかし、親の期待と自分のプライドで、県内トップ高校へ進学したの
だが、高校生になってからは、学力競争についていけずに、劣等感が植
え付けられていったのかもしれない。そして、大学進学では、親から決
別することになる。もう、親の言うことを聞く必要がないからだ。落ち
こぼれの自分に親は必要ないと思ったのだろう。彼の優越感や劣等感の
源泉も実は親の評価であったのかもしれない。

◇今回の書き込みは、大人になってから子ども時代を振り返り、その時
点で考えていることだ。あの頃、親の操り人形になっていなかったら、
こうなっていなかったという思いが感じられる。親の言いなりになって、
したくもない勉強をやらされていた自分が、勉強を「自分で頑張った奴
に勝てるわけない」と振り返っているのだ。

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中土井 鉄信

合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表

1961年、神奈川県横浜市生まれ。 現在、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表。 NPO法人 ピースコミュニケーション研究所理事長。

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