「格差は存在する」と子ども達に伝える教育も必要だ(前)

2008.05.18

ライフ・ソーシャル

「格差は存在する」と子ども達に伝える教育も必要だ(前)

寺西 隆行
(株)Z会

格差はひどい、の大合唱。 「こんな格差があっていいものでしょうか?」 ごめんなさい、マスコミで流れる安易なこのような投げかけには完全に閉口する自分がいます。 まずは自分でどうにかなるところからどうにかしませんか?

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

僕の物書きの友人が、R25のこの記事

“子ども格差”の時代が到来!?
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10003000/1112008051505.html
注)さらに元ネタは東洋経済の特集記事ですね。僕も読みました。

を読み、「大切なことは~」という文章の流れで、下記のような日記をしたためていました(部分的な引用に、言葉そのもののテイストを変更して掲載します)。
※本人の許諾が取れれば、氏名も出させていただきますが、今は控えさせていただきます。
→5/18追記)許諾が取れましたので実名を掲載します。『「愛され社員」で行こう!』著者の藤沢あゆみさんの日記より引用しました。
上記著書はこちら

==========
平等であるかどうかが大切なのではなくて…
世の中には生まれながらにして平等ではないことはあり、
環境そのものは諦めるが、自分の人生は諦めずに楽しめる感性 をできるだけ早いうちに身につけること。

==========

なんという…
短くはありますが、今教育においてとってもとっても大事なことが凝縮されている文章です。

どんな社会になっても物質的・精神的な格差は必ずあるんです。
それを認めないで、格差を「変だ!社会が間違っている!」とばかり叫び、政治家・官僚だけを責める人は不幸せだと思います。

不幸せなだけなら本人の問題ですが、たとえば「格差をなんとかしろ!」と官庁に長電話をする、など、他人の時間を強制的にとらせる行為に走っている人は、「迷惑」となりますし、「迷惑」の矛先が公の人間である場合、個人的な要求で公人の時間をとるという税の無駄遣いから、より多くの人に迷惑をかけていることにもなります。

親から虐待を受け、勉強もできず、いろんな意味で成長する機会を失った子どもと、何の不自由もなく幸せに育った子どもとの格差は、誰が見ても「かわいそう」と思えるものでしょうし、社会問題として認知の上、政策論で解決の方向性を探るべきもんだいでしょう。
しかし、そういう格差の現実を、自分の都合のいいようにすり替えるべきではありません。

1つ。
このような厳しい格差の現実のデータを見て、やれ塾に行くお金がない、塾に行ける人は有利だ、と叫ぶ若者、あるいは保護者。
それは「ちょっとした格差」に過ぎず、社会で生きる以上受容すべき格差です。
塾がなくても通信教育があります、参考書問題集があります、学校があります。
代替手段なんていくらでもあります。
塾にいくお金がなくても、学校の先生の教え方に恵まれていたら、その人自身が他の人より有利に立っているという見方もできます。
また、塾に行っても、学力があがるなんて保証はどこにもありません。

次のページ「環境そのものは諦めるが、自分の人生は諦めずに楽しめる感性」

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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