思考格差 ――「知的である」という意味

2026.10.13

組織・人材

思考格差 ――「知的である」という意味

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

これからの社会で広がっていく格差は、所得格差でも、学歴格差でも、情報格差でもないのかもしれない。 私は最近、もっと根源的な格差が生まれ始めているように感じている。 思考格差である。

世界そのものが一人ひとり違っていく

思考格差を加速させるもう一つの力が、情報環境である。

Reuters Instituteの『Digital News Report 2025』は、48市場、約10万人を対象にした大規模調査だ。

そこで、オンラインニュースについて「何が真実で、何が偽物なのかを見分けること」を心配している人は58%に達した。

考えてみれば、不思議な時代である。

人類はかつてないほど多くの情報を持っている。

それなのに、何が本当なのか分からなくなっている。

しかも私たちは、同じインターネットを見ているようで、実際には同じ世界を見ているわけではない。

検索履歴、視聴履歴、クリック、フォロー、滞在時間。

それらをもとにアルゴリズムは、私たち一人ひとりに「あなたが見そうな世界」を提示する。

すると、いつの間にか、

世界を見ているのではなく、自分向けに編集された世界を見ている

という状態が生まれる。

ここで知的態度が問われる。

「私が見ている世界は、世界そのものではないかもしれない。」

そう考えられるか。

自分と反対の意見を見ることができるか。

自分が信じたい情報ほど疑うことができるか。

知性とは、たくさん知っていること以上に、自分の認識に限界があることを知っていることなのかもしれない。

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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