5️⃣AI時代を読み解くキーワード⑤ Digital Twin──現実をデジタルに再現し、「起きる前に試す」時代へ

2026.09.14

IT・WEB

5️⃣AI時代を読み解くキーワード⑤ Digital Twin──現実をデジタルに再現し、「起きる前に試す」時代へ

富士 翔大郎
人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

5️⃣AI時代を読み解くキーワード⑤ Digital Twin──現実をデジタルに再現し、「起きる前に試す」時代へ

人財をデータだけで決めつけてはいけない

企業では、社員のスキル、経験、資格、研修履歴、業務実績などをデータ化し、配置や育成に活用する動きがあります。

しかし、人間には、本人にも見えていない可能性、家庭事情、体調、意欲、価値観、偶然の出会い、経験による変化があります。

人財データは、本人を理解する材料ではあっても、本人そのものではありません。

人財のDigital Twinをつくるとしても、人を分類し、将来を決めつけるためではなく、本人の可能性を広げるために使うという原則が必要です。

経営判断を変えるが、正解を出す機械ではない

Digital Twinは、技術部門だけの道具ではありません。

新しい工場や店舗をつくる前に、立地、生産能力、人員配置、物流費、災害リスク、売上、顧客動線、混雑など、複数のシナリオを比較できます。

経営者が経験や勘だけで決めるのではなく、判断材料を増やせるのです。

ただし、データの前提が間違っていれば、結果も間違います。センサーの故障、データ更新の遅れ、現場での例外対応、モデルに含まれていない条件などによって、現実とDigital Twinには必ずずれが生じます。

Digital Twinが進化しても、現場確認が不要になるわけではありません。むしろ、データと現実のずれを見抜く力が重要になります。

導入で陥りやすい失敗

Digital Twinは、精密な3D映像を大画面に表示すると、それだけで先進的に見えます。

しかし、企業が陥りやすいのは、

● 何を改善するのか決まっていない

● 現場が使わない

● 必要なデータが取れていない

● 導入後の更新担当者がいない

● 既存システムとつながらない

● 効果を測定できない

● 3D表示をつくって満足する

という失敗です。

また、データを増やすほど、保管費用、通信費、センサー維持費、サイバー攻撃、個人情報漏洩などのリスクも増えます。

重要なのは、集められるデータをすべて集めることではありません。何を判断するために、どのデータが必要なのかを先に決めることです。

企業は小さく始める

最初から工場や都市の全体を再現する必要はありません。

例えば、故障が多い設備、生産が遅れる工程、電力消費の大きい機械、事故が起きやすい場所など、課題を限定して始めます。

1. 解決したい課題を決める

2. 対象範囲を絞る

3. 必要なデータを選ぶ

4. 現実とモデルが一致しているか確認する

5. 仮説を試す

6. 現場へ反映する

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富士 翔大郎

人材育成コンサルタント、シニアインストラクター

● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民

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