2026.07.28
【インサイトナウ編集長対談】シニアの起業を支えるためにビジネスメンターとして支援。産・学・官が連携し、シニアの活躍と社会貢献の両立を目指す「J-SCORE」
INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社
超高齢社会の日本の中で必要なことは、社会保障よりもシニア自ら行動を起こし、活躍することだと説き、「J-SCORE」というシニアの起業を支援する団体を率いる松井氏にお話しを伺いました。
猪口 定例講演会は起業支援にもつながっているのでしょうか。
松井 講演会は知識を得るだけでなく、個人や企業が自らの技術、商品、ビジネスを紹介し、参加者から支援や協力、助言を得るビジネスマッチングの場でもあります。起業や事業化を促進するとともに、既存事業の経営改善にも役立ててもらっています。例えば、ベンチャーとして事業を始めたものの、なかなか利益を出せずに苦しんでいる方にも登壇していただいています。ただし、当機構が支援するのは、世界に役立つ事業に限ります。「世界の役に立つもので、過剰に儲けてはいけない」というのが、私の考えです。特に医療や介護では、利益だけを目的にするのではなく、社会にどのような価値をもたらすかを第一に考えて活動を行っています。
もうひとつ重視しているのが、産・学・官の連携です。これまで私自身が産・学・官のすべてに携わってきた経験から、どれかひとつだけでは事業を大きく動かすことはできないと考えているからです。
猪口 実際に、講演会での出会いから事業化につながった例はありますか。
松井 一例として、企業と大学が連携し、食品の鮮度を保つフィルムを開発したケースがあります。農業が抱える大きな問題のひとつは、豊作になると供給量が増えて売値が下がってしまうことです。しかし、収穫した作物を保存し、不作時に出荷すれば高く販売することができます。
このフィルムは日本国内だけでなく海外展開も推進中です。そのひとつがフィリピン産バナナへの活用です。バナナは青いうちに収穫すると味が落ちてしまいますが、完熟してから収穫したバナナをこのフィルムを使った袋に入れれば、4カ月保存することができます。その他、農業関係では、省エネ・生育促進技術を活用し、収益向上になった農業業従事者がいます。このように新たな付加価値を生み出すのが、私の考える技術経営です。
猪口 研究成果を社会に生かすには、組織の枠を越えた連携が必要なのですね。
松井 そうです。新しい発想によって、世の中の変化を先取りする。目の前の問題ではなく、将来を見据えて取り組む。そのためには産・学・官の連携が欠かせません。しかし、現役世代での連携が難しいのも事実です。だからこそ産・学・官の各分野で経験を積んだOBが集まり、一緒に取り組もうというのがJ-SCOREの基本的な運営です。
猪口 近年は、こうした事業化に対して国の補助金も出るようになってきました。補助金の申請も支援しているのでしょうか。
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