発見と気付きを与える育成プログラムの一案

2008.04.24

ライフ・ソーシャル

発見と気付きを与える育成プログラムの一案

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

先行きが不透明な昨今の経済。そんな環境下では、ビジネスパーソンに求められるのは、新たな視点と気付き。そうした社員を抱えることこそが、強い企業として生き残りを果たすことができる。ということで、如何にすれば「新たな視点と気付き」を与えられるかと悩む人材開発担当者は多い。

今回は、人材育成のヒントになればと、筆者の社員教育講師としての経験から一つのプログラム案を記す。日々の業務に没頭し、少々アタマが固くなってきている中堅社員向けにどうだろうか。

■日常の中に発見は潜むことを理解させる

何らかの知識やスキルを教え込むのではない故、個々人の「新たな視点と気付き」を醸成することは確かに難しい。しかし、何も特別なことをせずとも実現は可能なのだ。日常の中にでも常に新たな発見は潜んでいるはずだ。
ほんの小さなことでも、直接自分のビジネスに結びつかないことでもかまわないのだ。生活者や街、商店の店頭、それらのちょっとした変化に気づく敏感さが重要なのだから。
部下なり、教育をする対象者なりに聞いてみて欲しい。「この24時間、もしくは今週が始まってから、何か自分にとって新しい発見があったか」と。
多くは「特にない」と答えるだろう。
そうしたら、「日常の中にも必ず新しい発見はあるはずだから、街を歩いているときでも、何か新しいことを発見しようと注意するように」と伝えよう。

■ちょっとした非日常を意図的に作るようにさせる

数日したら、「何らかの発見はできたか」と聞いてみて欲しい。「日常の中の発見」がうまくできた社員もいるかもしれない。
しかし、多くは「特に発見はなかった」と答えるだろう。そうしたら、「その数日、どのように発見を求めたのか」を聞いてみよう。
多くは通勤の行き帰りの道や電車の車内で、街や人々の様子をつぶさに観察したが、特に変化はなかったと答えるだろう。
日常の通勤でも、うまくすれば新たな発見ができるが、それができなかったら、ちょっとした非日常を作る努力をさせてみよう。難しいことではない。週に一日でもいい。普段とちょっと通勤ルートを変えてみるのもいい。普段行かない街に行き、ちょっと歩いてみるのもいい。漫然と変化のない日常の繰り返しの中で発見ができないのであれば、その日常をちょっと変えることが大切だと理解させるのだ。

■時にはRadicalにやらせてみる

それでも何も発見ができないという社員がいたら、Radical(極端)にコトを起こすことで行き詰まりを打破する重要さを教えたい。ちょっと違うところを歩いて発見がなかったら、極端に観察範囲を広げさせるのだ。
例えば、筆者はネタ探しによく街を歩く。事務所が新橋なので、銀座を抜け東京駅までを流す。しかし、そのルートは慣れてしまっていてもはや刺激が薄くなっている。そうしたときには、さらにその先を歩く。丸の内に出るか、日本橋に出るか。その先は秋葉原まで歩を進める。複数の表情を持つ街。そこに集う人々もまるで違う。それらを見て歩き、比較する。そんなことをしていれば、何らかの発見がある。
普通にやって、ちょっと工夫して、それでもダメなら徹底的にやる。その努力の中に発見があると理解させたい。街歩きで何かを発見することが主旨ではないのだ。そこから実際の業務も同じことなのだと理解させることが肝要だ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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