2025.10.06
あなたの背中が、未来をつくる ― チームを超えて、社会に残るリーダーの在り方 ― 共鳴型リーダーシップ5話(終話)
齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
“背中”だけが語れることがある 職場の空気は、誰がつくるのか? 制度でも、理念でもなく、リーダーの「背中」が決めている。 どんなときに踏ん張るのか 苦しい時に逃げるのか、踏みとどまるのか 言葉だけでなく、自分の行動で何を伝えているか 部下たちは、リーダーの「言葉」よりも、「選択」を見ている。
第5話|あなたの背中が、未来をつくる
― チームを超えて、社会に残るリーダーの在り方 ―
■はじめに “背中”だけが語れることがある
職場の空気は、誰がつくるのか?
制度でも、理念でもなく、リーダーの「背中」が決めている。
- どんなときに踏ん張るのか
- 苦しい時に逃げるのか、踏みとどまるのか
- 言葉だけでなく、自分の行動で何を伝えているか
部下たちは、リーダーの「言葉」よりも、「選択」を見ている。
そして、その選択にこそ、リーダーの“在り方”がにじみ出る。
だからこそ今、私たちは問われている。
「自分の背中は、何を語っているだろうか?」
■自分の「在り方」が問い直される時代
これまでのリーダーシップ論は、「どう動かすか」「どう成果を上げるか」に主眼が置かれてきた。
だが今、真に求められているのは、
- 「どう生きるか」
- 「どうあるか」
という“在り方”に基づくリーダーシップである。
この在り方とは、以下のような問いに真剣に向き合えるかどうかに現れる。
- 自分は誰に対して、どんな責任を背負っているのか?
- この仕事を通じて、何を守り、何を残したいのか?
- 苦しいとき、誰に何を見せたいと思って立っているのか?
答えは人それぞれでいい。
だが、この問いを避け続けるリーダーは、どこかで人の心を見失っていく。
■スキルや戦略より「人格」で語るリーダーシップ
これまでの4話を通して見えてきた共通のキーワード――それが「人格」である。
問いを贈る力も、
共感を育む力も、
信頼されるビジョンも、
すべては人格の上に立ち上がる。
リーダーは、組織の成果をつくる存在であると同時に、
“人格で人を導く存在”でなければならない。
人は、完璧な人にではなく、誠実な人についていく。
強い人ではなく、「逃げなかった人」に尊敬を抱く。
だからこそ、リーダーは「やり方」よりも、「在り方」を鍛え続けなければならない。
■徳を宿すリーダーが持つ「未来への責任」
徳を宿すリーダーは、「自分さえ良ければいい」という選択をしない。
彼らが行動を決めるとき、意識しているのは――
- チームの未来
- 組織の誇り
- 社会の空気
- 次の世代が受け継ぐ文化
つまり、“自分の選択が、未来に何を残すか”という視点だ。
とある若手社員が、こんなことを言った。
「この人の仕事を見て、“こういう大人になりたい”って初めて思いました」
この一言が、どれほどの影響を持つか。
“背中”は、次世代に残る最も強いメッセージとなる。
■CASE:小さな背中が、職場の空気を変えた日
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。
