アマゾンが秘かに進める革命

2008.04.16

経営・マネジメント

アマゾンが秘かに進める革命

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

今どきのネットユーザーでアマゾンの名前を知らない人は、ほぼ一人もいないだろう。では、アマゾンが狙っていることは何だろうか。アマゾンが秘かに、しかし着実に進めているもの、それは革命ではないか。

「世界で最も大きな書店」。1995年、アマゾンがスタートしたとき
の表向きのコンセプトである。ジェフ・ベゾスがニューヨークからシ
アトルへ向かう道中で、ネットを使ってビジネスをするならどんな商
材がベストかを考え抜いた末にたどり着いた答、それが書籍だったと
いう。有名な話だ。

とはいえ1997年の時点では、アマゾンが在庫していた書籍タイトル
はまだわずかに2000程度に過ぎなかった。ビジネスをスタートして
2年後のアマゾンからは現在の姿を想像するべくもない。もう10年
も前のこと、アメリカはドットコムバブルがわき上がろうとしていた
頃だ。

数多いネットベンチャーの中でもたしかにアマゾンは、成長を期待さ
れる筆頭株ではあった。まだ一度も黒字を出していないにもかかわら
ず、その株価はどんどん上がり続けていた。なかにはアマゾンは永久
に利益のでないビジネスモデルだと強固に主張するアナリストがいた
にも関わらずである。つまり扱い書籍数やユーザー数が増えるたびに
アマゾンは巨額のシステム投資を迫られるため、客が増えモノが売れ
るほどシステムコストがかさむ。このいたちごっこが永遠に続くので
はないかと懸念されていたのだ。

しかし、である。今にして思えば、当時からアマゾンは確実な未来予
測図を描いていたのだ。「未来を予測するもっとも良い方法は、未来
を発明することだ」とアラン・ケイは語った。アマゾンが発明した未
来とは「ネット上にある世界最大のマーケット・プレイス」である。
そして、これこそがアマゾン革命の究極の姿だ。

アマゾンは設立当初から「世界最強の顧客主導型企業」をビジョンに
掲げてもいた。過剰なまでのシステム投資はおそらく、このビジョン
を実現するためである。ネット企業のシステム投資といえば、よく引
き合いに出されるのがGoogleだ。Googleはいまや数十万台(もしか
したら数百万台だったかも)のコンピューターをフル稼動させるコン
ピューター企業でもある。そのGoogleと似たようなシステムをアマ
ゾンも持っているのではないだろうか。

そう考えてもおかしくないぐらいにアマゾンのシステムは、よくでき
ている。いまアマゾンが扱っている商品数がどれぐらいあるか、ご存
知だろうか。その数なんと1000万を超える。しかも、商品数は未だ
に日々増殖中だという。すこしサイトを見ればすぐわかるように音楽
CD、映画などのDVDなど書籍の親類みたいなものがある。一方で家
電、ゲームソフト/ハード、ガーデニング用品、ハウスウェア、オ
フィス用品にアパレル、ヘルス&ビューティまである。

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