【インサイトナウ編集長対談】「日本のどこかに自分の応援を受けて頑張っている子どもがいる」そんな社会になってほしい

2024.09.27

経営・マネジメント

【インサイトナウ編集長対談】「日本のどこかに自分の応援を受けて頑張っている子どもがいる」そんな社会になってほしい

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

「協会のプログラムを通じ、一人でも多くの子がビジネスの楽しさに気づいてもらいたい」と考え、ティーンエイジャービジネス協会として活動を続ける山田翔吾さん。子どもたちの教育に一石を投じる山田さんにお話しをうかがいました。(聞き手:猪口真)

猪口 保護者会もあるのですね。

山田 この講座には保護者の理解が必須です。仕入れにいきなり20万円を使うこともありますし、それが売れる保証もちろんありません。その結果売れている商品もあって、毎月の受講料以上に稼いでいるので、今はその子はホクホクです。

猪口 この活動を始めてみて、最初の予想と違っていたことはありますか。

山田 「やっぱり子どもたちはガッツあるな」と感じますね。私たちは全般的にあまり教えません。ECはさすがに教えることが多いですが、ビジネスキャンプでは最低限の情報だけを与えて、あとは自分たちで好きに考えて、好きに行動してもらっています。当然うまくいかずに泣く子も出てきますが、それでも2、3時間放っておけば勝手に立ち上がって、いつの間にか頑張っている。彼らは一人残らず自分で何とかする力を持っているのだと、常に実感していますね。

例えば「ジュニソロ!(ジュニア・ソロ・アクティビティ)」は、子どもたちの「自立心」を育む子どもソロキャンププログラムです。「みんな仲良く」を強制しないのがコンセプトで、ソロで頑張るようにしたところ、最近すごく増えている、学校にいまいち馴染まない子どもたちがけっこう来ています。ちなみにキャンプイベントは、蓋を開けてみると、不登校やオルタナティブスクールに通っている子どもが毎回半数ぐらいいます。学校に行っていない子、学校以外の場所に行っている子、海外の学校に行っている子もいる。不登校だから元気がないかというと、逆にものすごいエネルギーがあって、それを学校だと解放できないからつまらなくて行っていない。そういう子が今はすごく増えています。

猪口 山田さんが最初に勤めた学習塾で、勉強を教える教育だけではもうだめだと感じたとおりですね。イベントにリピートで来る子どもたちもいますか。

山田 リピーターはすごく多いです。リアライズで毎年開催している無人島でのビジネスキャンプは、キャンプをしながら経営ビジネス体験をするプログラムです。2021年にリアライズが始めて、今はプログラム化していろいろな会社にやってもらっています。毎年夏に開催していて、今年はリピート率が約65%でした。しかも昨年12月の段階で席が埋まってしまったので、慌ててもう1日増やしました。

猪口 具体的にはそこでどのようなビジネスが発生するのですか。

山田 食べ物を売る子が一番多いですね。2022年のキャンプでは、よく分かっているリピーターの子が一番簡単なドリンクから始めました。ビールを仕入れて、ビールを売りながらお金を貯めて、サウナを購入。そのサウナで入場料を取って、さらにお金が増えてきたら、2日目の夜に音響設備付きのステージを買ってDJイベントを開きました。大人は自分の子どもを手伝ってはいけないのがルールですが、他の子に雇われることはできので、大人を雇って、仕事をさせて、自分は海で遊ぶ子も現れます。これをやりなさい、あれをやりなさいとは言わないので、働いてガッツリ稼いで遊ぶ子もいれば、ダンスイベントをやっている傍らで、人が集まっているからチャンスと言って、自分は遊ばずに仕事をする子もいます。

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