就活生にとって厳しい状況は続くが、50年稼げる自分をつくっていこう

2021.02.14

組織・人材

就活生にとって厳しい状況は続くが、50年稼げる自分をつくっていこう

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

昨年1年間、コロナ禍のなか、就活を続け、Webでの面接など、ほとんどの人が体験たことのないことを経験し、この4月から新社会人として社会に巣立つ人は、一向に落ち着かない状況のなか、不安でいっぱいだろう。人気企業のランキングもかなり様変わりした。

ところがこのコロナ禍では、逆で、アメリカ(コロナ禍は世界一ひどい)では、あまり変わらず、日本で大きく変わってきた。

しかし、よく見ると、アメリカでは、やはり時価総額のデカイ企業が連なっている。要するに考え方としてはシンプルだ。時価総額が高い→市場に評価されている→そこで働くことで自分の仕事が評価される、といった思考サイクルか。

日本の場合、トヨタやソニーは時価総額でもトップだが、キーエンス、日本電産などの時価総額上位社が連なるわけでもなく、人気と実力はまた別物ということなんだろうが、このあたりは採用戦略の違いというか、巧拙というか、マスメディアへの露出も含めてのブランディングに学生が取り込まれているのかもしれない。

この様相を見てみると、表面的な企業イメージや短期的な業績の浮沈に引っ張られすぎているのではないか。

よく言われる「安定志向」ということでもない、売上の大きさに比例しているわけでもない。安定だけを求めるのであれば、公務員は別にしても、歴史のある企業を選べばいい。数々の試練を乗り越えてきた、まさにレジリエンスに優れた企業だといえるだろう。

そう考えると、この人気ランキングも、どういう基準での選択なのか正直よくわからない。

市場が評価する基準と学生が行きたくなる企業は別なのは理解できるが、コロナで業績が急に変わったから志望する企業もガラッと変わるのでは、これまで何をやってきたのかと思いたくもなる。

結局、企業の力にぶら下がっていくのかと言いたくもなる。

残念ながら、もはや個人の働く期間のほうが、多くの会社の寿命より長いのだ。一生ぶら下がることは、もはやできないと考えたほうがいい。

年金受給も65歳となり、少なくとも65歳までは、フルに働かないと食えない。50歳代後半で役職定年となり手当が削られ、60歳からの再雇用ではアルバイト並の給与になってしまうのももはや当たり前だ。

それはまだいいほうで、事業の撤退、縮小によるリストラも日常茶飯事だ。

そろそろ、本当の就職(就社でなく!)を考えてほしい。

コロナによる一過性で業績を落とした業種もあるかも知れないが、瞬間的な業績と無責任な市場予測に振り回され、70歳まで稼ぎ続ける力を身につけることを忘れてしまっては、それこそ本末転倒だ。

これから50年稼ぎ続けるには何が必要かを考えよう。これまで社会で働いたことはないのだから、自分に本当に合っていること、何を身につければ長期的に稼ぎ続けることができるのかは分からないのは仕方のないことだ。

しかし、企業の表面的なイメージだけで選んでしまっていては、ずっと会社に頼り続けることにつながってしまう。

まずは考え抜いて、自分なりの仮説を持つことだ。上手くいかないこともあるかもしれないが、そのときはまた考え直せばいい。

先は本当に長いのだから。

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