人生100年時代の「働くことの喜び」考~歓喜から快活へ

画像: taitiro a.k.a. amamako

2019.09.08

組織・人材

人生100年時代の「働くことの喜び」考~歓喜から快活へ

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

私が行っている働くことの哲学ワークショップ『仕事観づくり考房』からのワークを紹介します。自分がいま働くことから得ている(得ようとしている)喜びが、「歓喜」寄りなのか、「快活」寄りなのか、あらためて内省してみるのは有意義なことだと思います。


私が行っている働くことの哲学ワークショップ『仕事観づくり考房』では、「働くこと・仕事の喜び」というセッションを設けています。

「働くことの喜び?」―――昨今は、働くことのつらさや難しさのほうが意識を占領してしまっており、その逆の喜びをきかれ、多くの受講者は一瞬戸惑いをみせます。こういったシンプルで真正面からの問いは、日ごろ多忙な仕事生活の中では誰からも問われるものではないですし、自分自身にも問いません。ですが、ワークを終えると新鮮な気づきも与えてくれます。

働くことから得る喜びを分類してみる

そのワークは数人のグループに分かれて行います。1人1人が付箋紙に「喜び」をいくつも書き上げていきます。そしてそれを皆で披露し合い、あとはそれらを1枚の図に集約していくという単純なものです。

グループからはいろんな図表現の発表があります。そして私自身が考えた図もクラスに提示します(下図)。


いろいろ出てきた「喜び」に対し、私が切る2軸は、1つが「モノ/コト/在り方」の軸。言い換えれば「have次元か/do次元か/be次元か」。そしてもう1つが、「自己に閉じた喜び/他者・社会に開いた喜び」の軸。

この図を示しながら、受講者に「自分が仕事から得ている喜びはどこを中心にしているか」という問いを発します。そして図に情報を補足します(下図)。


喜びの2種類───「歓喜」と「快活」

喜びの状態の2種類、すなわち「歓喜」と「快活」を加えました。この2つの違いについて、ジョナサン・スウィフト(『ガリバー旅行記』でも知られる英国の作家)は次のように言い残しています。

「歓喜は無常にして短く、快活は定着して恒久なり」。───ジョナサン・スウィフト

つまり歓喜は、成功、功利、勝利、所有、高揚、優越、称賛、悦楽、癒しといったものにくっつくもので、消費される一時的な喜びです。他方、快活は、創造、貢献、連帯、意味、使命、健康といったものにつながるもので、持続的、建設的な喜びです。

自分がいま働くことから得ている喜びが、「歓喜」寄りなのか、「快活」寄りなのか、あらためて内省してみるのは有意義なことだと思います。

私はここで、言外に「歓喜」的喜びが下で、「快活」的喜びが上であると主張しているわけではありません。どちらの喜びも人生にとってよいものですし、目指すべきものです。

「歓喜」のみを追う生活はやがて疲れが来る

ただ、私がいろいろな企業の研修現場に立って従業員の方々の様子を拝見したり、私自身も50代後半になってきてしみじみ感じたりすることは、「歓喜のみを追うキャリア・人生にはやがて疲れが来る」ということです。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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