クロスメディアの効果測定

「マルチメディアは加算的、クロスメディアは乗算的」と表現された方がいますが、クロスメディア効果の数字を、明確に把握できている企業はまだ少ないのが現状です。各メディアの効果測定を行う上での、分析視点について以下にまとめます。

最近、デジタルメディアが進めている「ビヘイビアターゲティング」をご存知でしょうか。行動ターゲティングと言われることも多いですが、サイトへの訪問した履歴や行動を分析しておき、広告主が訴求したい相手を選べる手法になります。

どのような検索キーワードでサイトに来たか、どのようなコンテンツを見たか、どんな動画や音楽を見たかと言った履歴を分析し、「行動段階」へ繋がりやすい「行動パターン」から訴求したい相手を判断することができます。

デジタルメディアの企業は、今までの「認知段階」への訴求を中心にした広告主集めから「行動段階」へ訴求・繋げられるという強みを元に、広告主を集めています。
しかし、ビヘイビアターゲティングでプロモーションを実施したとしても、企業視点(広告主)から見れば一つのメディア評価に過ぎません。

▼クロスメディアの本来の効果


現在、情報社会と言われるようにリアルの世界、ネットの世界には様々なメディアを通じて広告が目に入ってきます。
人が購買するという「行動段階」に移る時には、様々な情報を元に比較・検討をします。必ずしも一つのメディアを通じて、一つの広告を通じて、「これ、買おう!」という行動には走りません。

企業側がメディアを評価する方法として、一つのメディア単体毎にコンバージョン率(目的ページへの到達率)を測定しておく。
つまり「点」ではなく「線」としての評価は、必須になりますが、本来はどのメディアを通じてサイトに入り、どのタイミングで「行動段階」に移るのか、複数メディア間の評価=「クロスの線」における測定をしておかないといけません。


▼クロスメディア効果測定の事例


「その他金融」企業の例を記載します。
年間の広告予算は数億円、メディアとしてはテレビ、OOH、ネット広告、モバイル広告、多岐に渡ります。メディアの評価として、

①TV・OOH=ブランド認知率、検索キーワード、リスティングからサイトへの誘導量を測定
②媒体系=記載URLを分け、サイトへの来訪量と配布量に応じたリターン率を測定。QRコードにIDを付け、どの媒体からモバイルサイトに入ったか来訪率も測定。
③ネットメディア=バナーなどの広告に全て識別するためのIDを付け、サイト誘導への貢献率を測定。

上記のように、サイトへの誘導や来訪率を個々に測定し、最終的な審査申込ページへの目的達成率と、審査申込ページへの貢献率を測定していました。

しかし、マーケティング担当者は気付きます。
「メディア単体で評価をしたとしても、一人の人間が様々なメディアを通じてサイトに訪問する。」と・・・

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上島 千鶴

上島 千鶴

株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント

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