クロスメディアの効果測定

「マルチメディアは加算的、クロスメディアは乗算的」と表現された方がいますが、クロスメディア効果の数字を、明確に把握できている企業はまだ少ないのが現状です。各メディアの効果測定を行う上での、分析視点について以下にまとめます。

▼アナログメディアからクロスメディアへ


メディアの種類には、今までの「4大マスメディア」と総称されるテレビ、新聞・雑誌、ラジオ、OOH(野外広告)がありますが、これらは『ブランド効果』という視点で効果を測定するしかありませんでした。

広告主がメディアを判断する材料として、テレビは視聴率、媒体系メディアは配布数といった「量」で判断せざるを得なかったと言えます。そして最終的には結果としての売上数字から、個々のプロモーションの「点」と結果の売上の「点」を無理やり結びつけ、判断しているような状況になってしまいます。

しかし、インターネット広告の出現によってミクロな視点で一人ずつの行動が把握できるようになり、4大メディアからモニタリングできるインターネットへ誘導する動きが、現在のクロスメディアの原点となっています。

大きくメディアの分類を、「アナログメディア」とインターネットの「デジタルメディア」と分けると、デジタルメディアにおけるインターネット広告は、全てその効果を測定することができます。

顧客の行動パターンを
①「認知段階」
②「感情段階」
③「行動段階」

に分けた場合、アナログメディアは、「①認知段階」の顧客に訴求するためのメディアとしては有効ですが、感情段階から行動段階への顧客に訴求したい場合、デジタルメディアへ繋げることが必要になります。

つまり、乗算的と言われる所以は、メディアを単体の視点で判断するのではなく、複数のメディアをクロスさせることによって、本来のメディア効果を測定できるということになります。

▼デジタルメディアの評価


現在、広告主がデジタルメディアを判断する材料として、「PV数」や「会員数」が挙げられます。しかしこれらはアナログメディアと同じ視点の「量」としての数字になります。

認知段階へ訴求したい場合は、「量」の数字をメディア評価基準とし、自社サイトへの来訪者を増やす目的の場合には、全く問題ありませんが最終的に

自社のサイトに誘導した後、どれだけサイト内を回遊し、目的ページへ辿り着いたのか、「行動段階」へ繋げるためのメディア評価という視点では、「量」ではなく「質」を重視しないと、サイトには来訪が多いが売上(目的達成)には繋がらないという結果になってしまいます。

媒体系メディアを判断するもう一つの判断材料として、購読している「会員の属性」が挙げられます。
デジタルメディアにおいても同じく「会員属性」情報を持っていることが多いですが、デジタルメディアの強みは、「会員属性」や来訪者の「行動パターン」に応じて、訴求したい相手を選べることになります。

次のページ▼クロスメディアの本来の効果

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上島 千鶴

上島 千鶴

株式会社Nexal ビジネス戦略、Web戦略コンサルタント

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