知識より、リーダーシップ

画像: SuperCar-RoadTrip.fr

2015.08.02

仕事術

知識より、リーダーシップ

泉本 行志
株式会社アウトブレイン 代表取締役

「リーダーシップ」といっても、○○リーダーシップ論とか そんな小難しいウンチクではありません。

私はプロジェクトベースで依頼を受け仕事をしています。
ここ10年くらいで、何十ものプロジェクトに参加してきました。
でも、そのすべてがうまくいったわけではありません。

中でも、特に2つ苦い経験があります。

苦い経験というのは、つまりはクライアントに
満足頂けずにプロジェクトが終了したということです。

そんなときは、普段ベットに入ると数秒で眠れることを得意とする私も、
悔しさで寝れないってことが起こります。

その苦いプロジェクトの1つは、業務プロセス改善をテーマとしたものでした。
私は結構、いろいろなテーマのプロジェクトを普段から依頼頂きますが、
この分野は、私が経験も豊富で得意分野です。

そのプロジェクトの依頼では、予算の関係もあって
私がフルタイムでプロジェクトをマネジメントするのではなく、
週に1、2回会議に参加して、社内のプロジェクトマネージャーの
ブレインとして助言をしてくれという話でした。

私はそのとおりに、プロジェクトマネジャーに対して、
自分がもつ知識や経験を都度伝えていきました。
彼からも「勉強になります」という言葉があったので、
自分としてはバリューを提供できていたと信じていました。

ところが、1か月が過ぎると、プロジェクトのオーナーから
こんなことを伝えられました。

「もっとプロジェクトをリードして欲しかった。
助言ではなく、プロジェクトをリードしてくれる人を求めていた」

それに対する私の反応は、
「いやいや、っていうか、そういう話だったでしょ。
それでプロジェクトがうまく進められなくて、期待外れと言われても・・」

なにを理不尽なことを言ってるんだ!と私も反応的になってしまい、
結果プロジェクトを離れることを選択しました。

ただ、しばらくして冷静になって、自分に問いかけました。
「ほんとに、自分がすべきことをやっていただろうか。」

結局、クライアントが必要としていたのは知識あるいは
プロジェクトマネジャーへのコーチング/ティーチングなどではなく、
プロジェクトを進める原動力でした。

契約上、自分はあくまで知識を提供する側であって、
それをうまく実行できるかはクライアント次第でしょう。
っていうのは商売としては正論かもしれないけど、
それって、プロフェッショナルとしてカッコいいだろうか?

プロジェクトの状況をみて、必要なら契約内容の見直しも含めて、
もっとこちらから積極的に関わり方を提案できなかっただろうか。
あるいは、限られた時間の中でも、プロジェクトをグッと前に進める
第1歩となる何かしらのアクションはとれなかっただろうか。

そう考えるようになりました。

知識なんて、いくらでも世の中に出ている。
勉強熱心な人なら、自分の仕事に関係するビジネス書の
1つや2つ読んでいるはず。

これまで、いろいろな企業の中に入って問題解決に携わってきた中で、
知識がなくてうまくできないというケースは意外と少ない。
それより、状況を整理してチームを強くリードする人がいないことが問題。
というよりは、やるべきことも実はわかっているのに、
何かメンタルブロックがかかって、リードしようという気持ちが負けてしまっている。


だから、リードできる人は、すごく求められています。
頭でっかちのコンサルタントではなく、
知識や経験が少なくても、プロジェクトをリードする
メンタルが強い人。
自分が引っ張っていく!というセルフイメージが高い人。

そういう人が必要とされています。

プロジェクトマネジメントのテクニックとか
問題解決の手法などは、その次の話。

まずは

I will lead, not follow.

こういうマインドを持つことが大切。
結局は、こういう人がどんな環境でも勝ち続ける
ストリート・スマートなんだと思う。


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