FRB:波乱の政治経済混乱をよそに予想通りの利上げ!

2018.04.02

経営・マネジメント

FRB:波乱の政治経済混乱をよそに予想通りの利上げ!

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FRB(米連邦準備理事会)は3月21日に予定通り利上げに踏み切りました。フェッド・ファンド・レート(FF Rate)誘導目標を0.25%引き上げ、1.50~1.75%としました。上限金利が指標になりますから1.75%と記憶しておきましょう。

下記のグラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は過去10年のFF Rateの動きを示しています。
2008年当時のリーマンショックの影響が大きい金融市場が混乱していた時代には、一気に5%台から0.25%まで急速に利下げに踏み切りました。そして2016年からは、経済回復が顕著であり、物価もデフレ脱出となり、利上げに踏み切りました。去年は3月、6月そして12月にそれぞれ0.25%の引き上げを実施し、そしてその流れの一環で今回の0.25%の利上げと言うことになります。そして、その流れを今後も受け継ぐことになります。

市場の関心事は、この流れがどの時点まで続くのか!そしてそのスピードは速いのか、遅いのか?それでは、パウエル新議長率いるFRBのメンバーはどのように予想しているのか見てみましょう。

下記の図(出所:FRB)は理事会出席メンバーのFF Rateの各年の予想を示しています。
これを見ると、今年は、FF Rateの上限を2.25~2.50%に集中しているようです。(緑丸部分を参照)つまり、今年は今後3回もしくは2回の利上げを予想している。後程、順調に利上げが進むのか、それとも止まるリスクがあるのかどうか検証してみたい。そして来年は、3%前後を予想している。つまり来年も0.25%毎の利上げが2回から3回予想される。そして2020年には3.25%~3.50%まで引き上げを予想している。つまり、経済成長が順調に進み、何ら経済・金融の混乱が起こらないとの想定の下、インフレ率が右肩上がりに上昇すると予想している。そして長期的には2.75%~3.00%のFF Rateを予想しているようです。つまり2020年前後に経済のピークを迎え、その後、経済の減速感が出てくるのではとのシナリオをFRBメンバーは描いています。このシナリオが基本であり、今後景気動向を占う場合のたたき台になると言えます。

今回の声明文は、イエレン前議長からパウエル新議長への引継ぎ時期であり、金融政策方針はイエレン前議長の方針を修正しないで原稿が書かれたと言えます。それには、量的緩和政策縮小についての部分は省かれていました。前回までの声明文では、去年10月から開始した量的緩和縮小については、最終的には月額500億ドルまで引き上げるとしていました。次回以降、その内容について、パウエル議長主導の下、詳細な内容について記述されると思います。

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