絶体絶命のマクドナルドをスピード復活させた「カサノバ改革」とは?

2018.03.26

経営・マネジメント

絶体絶命のマクドナルドをスピード復活させた「カサノバ改革」とは?

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南青山リーダーズ株式会社

今年(2018年)2月、日本マクドナルドホールディングスが発表した2017年12月期決算は、純利益が前年比約4.5倍の240億円と過去最高を記録。同社はここ数年の業績低迷から復調したとして、これまで縮小してきた店舗網を10年ぶりに拡大して巻き返しを狙う構えだ。 使用期限切れ鶏肉や異物混入問題による顧客離れで、2014年12月期から2期連続の大赤字に陥り、一時は日本撤退さえ噂(うわさ)されたマクドナルド。経営改革に挑むサラ・カサノバ社長のもと、絶望の淵から起死回生したマクドナルド大復活の背景と今後の展開に迫った。

わずか2年で、過去最悪の大赤字から過去最高の黒字へ!

まず、経営危機に陥った低迷期のマクドナルドについて触れておこう。
その業績にかげりが見えてきたのは、前社長・原田泳幸氏の時代だった。2010年頃から商品・サービスのマンネリ化で顧客離れが進み、年を追うごとに売り上げが落ちて業績が悪化。業界で敏腕といわれた原田氏でも難局を乗り切れず、ついに2013年8月、日本マクドナルドは原田氏に替わってサラ・カサノバ氏をトップに据えた。カナダ人女性のカサノバ氏はロシアや東南アジアのマクドナルドで勤務経験を持ち、2004年~2009年には執行役員として日本に勤務。顧客の心をつかむマーケティングを得意とし、おなじみの「エビフィレオ」や「メガマック」などを成功に導いたヒットメーカーでもある。

ところが、カサノバ氏が就任した翌年(2014年)、マクドナルドを経営の危機に追い込む大事件が発生。上海にある取引先の企業が、使用期限切れの鶏肉を使用していた問題が発覚したのだ。さらにその半年後には、国内の販売商品に異物混入の告発が相次ぎ、同社のブランドイメージはまたたく間に失墜。その結果、2015年の最終決算は過去最悪となる340億円超の赤字を計上した。

しかし、それでもマクドナルドは負け組にはならなかった。絶体絶命のピンチに直面したカサノバ社長は、消費者の信頼回復と経営体制の改善に向けて、数十に及ぶ改革を迅速かつ確実に実行。過去最悪の大赤字からわずか2年あまりで、過去最高の黒字へと驚異のV字回復を実現させたのだ。

マクドナルドをV字回復に導いたカサノバ流の大改革

では具体的にどのような改革・改善によって、カサノバ社長はマクドナルドをスピード復活させたのだろうか。その主な取り組みと成功例をいくつか見てみよう。


【食の安全の透明化】
問題となった鶏肉の仕入れ先を中国本土から台湾に移したほか、商品の詳しい素材情報をホームページや商品パッケージのQRコードで確認できるシステムを導入。消費者にとって最も気になる食の安全を「見える化」した。

【不採算店舗の徹底削減】
2014年以降、新規出店を抑えて不採算店舗を中心に次々と閉鎖し、2017年末までにピーク(3891店舗)から約1000店少ない2898店舗まで削減。その分、各店舗の快適化(改装・サービス向上など)や人材教育に力を入れた。

【味にこだわったプレミアム商品の開発】
これまでの低価格な商品だけでなく、リッチ感・プレミアム感といった時代のニーズを捉えた本格メニューを投入。たとえば、厳選素材をふんだんに使ったプレミアムバーガー「グランシリーズ」は、発売当初の5日間だけで300万食を販売。また、マクドナルドの新ブランドショップ「マックカフェ・バイ・バリスタ」では、専門店のような本格コーヒーやスイーツが楽しめ、休日には行列ができるほどの盛況ぶりを見せている。

次のページ社長みずから顧客や現場の声を聞き、経営改革に取り入れる

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