高校2年生の夏に父を亡くし、家計を支えるために大学進学を諦め、叔父が創業したモスバーガーでアルバイト、フランチャイズのオーナー、そして社員として一通りの仕事を経験した櫻田厚(さくらだ・あつし)代表取締役会長。モスバーガーがなぜ利益率のいい直営ではなく、フランチャイズ展開にこだわるのか、文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山が聞いた。
(前編)テリヤキバーガーは美味しくなかった。モスの大ヒット商品になったきっかけ
『モスバーガー流』ファミリー的な絆のビジネスモデル
モスバーガーはフランチャイズ展開をしている。「それは創業者の考えであり、私もそうだと思っている」と櫻田厚会長。
「フランチャイズは、個人事業主、オーナーです」
オーナーだからこそ、モスバーガーを代表して任せられるような方にチェーン店として加盟していただくので面接は時間をかけて行うそうだ。
「目を見ながら、何故フランチャイズのチェーン店になりたいのですか?どうして飲食なんですか?その中で何故ハンバーガーを選んだんですか?奥様、ご家族は賛成していますか?」
面接担当者は、何故やりたいのか?という動機についての質問をたくさん投げかける。
「人としてこれまでどんな人生を歩んできたのか、まで時間をかけて面接していくと、全国には価値観の合う方がいてモスバーガーの社訓や社風に賛同してくれる方がいるんです」
「そんなに厳しい審査をするのは、なぜですか?」と疑問を投げかけるタケ小山。「やるからには失敗して欲しくないから」と櫻田会長。
「お互いにモスバーガーというものを一緒に作り上げていくものですから。加盟したから、なんとなくうまくいくなんてものではないのです」
フランチャイズだからといって保障されたものはなにもない。ある意味では自己責任だと。だからこそ何度も面接するのだと。
「ビジネス的には直営したほうが利益率もいいのでは?モスバーガーがフランチャイズにこだわるのは何故ですか?」とタケ小山。
「利益で言えばそれはあきらかです。でも永続性です。地元で生まれて、地元で育った方が、その土地のことを誰よりも知っている。知っている方が店を出すのが一番いいでしょう」
櫻田会長はご自身の経験も踏まえて「経済的に成功してしまうと人は錯覚、勘違いしてしまうこともある。サポートされて自分が生きているということを忘れてしまうと必ず失敗しますよ。
今、自分でも心がけているのは、自分ひとりではなんにもできないんだということを本当にどこまで自覚するかです」
未来に向かってモスバーガーは…そして、これからの外食産業
これからのモスバーガーについてタケ小山が訊いた。
「自分がしたいことではなく、皆がしたいことをどのように実現できるかを考える。実現するためのプラン、プログラム、スケジュールを考えています。
創業者の時代は、トップダウンで言われたことをみんながやっていれば、それで結果がでていました。今は、みんなのパワーが集まることで、数十倍ものことができるのではないかと。また、そういう企業文化にしようと思っています」
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