DVと職場のパワハラの同じ根っこ

画像: (C)Terushige Motomiya 罪悪感・自己処罰欲求が癒される

2018.02.02

ライフ・ソーシャル

DVと職場のパワハラの同じ根っこ

内藤  由貴子
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

DVの加害者と職場のパワハラとは、その意識を見ると同じ構造があります。  職場のパワハラする側は、自分が悪いと思っていませんが、受ける人はたまりません。 自分が悪くなくても、罪悪感を刺激され、いたたまれない思いをさせられます。  それから、関係ないようですが、子育てにも、近い構造を見ることがあります。  DVやパワハラは、自分ゴトではないと思う方も多いと思います。  しかし、親子関係でも、近い構造を見ることは、特別なことではありません。  「愛」の定義は難しいですが、相手の世界を理解するという視点を持つだけでも、自分自身が見える機会を得られるはずです。  *写真はフラワーフォトセラピーで使う「罪悪感が癒される」 

3の支配-被支配関係は、実は、1の意識が大きいです。

「所有意識」というのはつまり、夫は妻を別の人格だと気づいていないということです。
だから、「愛しているなら自分と同じ」、自分が望むことを相手がわかっていて当然だと思っているし、それがわからないと腹が立つ、手が出るということ。
こうしたベタっとした関係は、夫が妻の意識を自分の一部に取り込んでいるような関係です。

すると、当然、対等ではいられなくなり、自分が上に立って支配する関係を作りやすくなります。
そこに2の 特権意識が作用すれば、より支配関係は強まります。
3の被害者意識の支配-被支配関係も、結局ここにつながります。

「愛」の誤認

さて、加害者の所有意識には、「愛しているなら、自分と同じ」と言う意識があると書きました。
とても古い概念ですが、夫婦関係に「夫唱婦随」という言葉があります。
そこには、妻は夫に従え、妻は夫の考えと同じであるべき、という意味ですが、それは愛とは言えません。

本当に愛ある関係では、相手を独立した人格としてその個性、自分との違いを認め、尊重するはずです。
もちろんそこには対等な関係があります。支配-被支配にはなり得ません。
さらに、その関係からは、互いをより理解することで自分も成長させる機会が作られていきます。
相手をより深く理解することによって自分と相手の違いが際立ち、自分の個性が。自分でもより理解できるからです。
結果として、愛するパートナーから、自分の成長を促されることになるでしょう。


パワハラとの共通点

タイトルに「パワハラとの共通点」と書いたのに、長々とDVに着いて書いたようですが、
パワハラをする人にも、同じような意識があります。

上司が部下に対してするパワハラなら、部下を別の人格で違う個性を持った人としての認識が足りないと、自分の要求通りにしごとしないと、許せない。なぜ、自分の手足となって働かないのか、となります。

もちろん、上司だという特権意識が、それを支え、部下をコントロールできれば、常に自己肯定感は補填されるので、いつでも「自分はスゴイ!」と思える状況が作られます。
失敗は、部下の責任、自分は仕事の足を引っ張られた被害者です。
大きな失敗と言うより、日常の些細なことに上げ足を取るように、ねちねち注意し、上司本人はいつでも自分は正しい、部下はダメの構造を作って支配-被支配の関係を保とうとします。

部下は、たまったものではありません。

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内藤  由貴子

一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事

こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。

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