陸上選手をビジネスクラスに乗せてあげたい。為末大さんの目標と2020年

2017.12.31

経営・マネジメント

陸上選手をビジネスクラスに乗せてあげたい。為末大さんの目標と2020年

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株式会社侍の社長を務める為末大さん。 シドニー、アテネ、北京と3回のオリンピックに出場を果たすも、2012年の日本選手権で予選落ちし、現役を引退。 スポーツ界に一石を投じてきた為末さんが2020年に向けて考えていることを、文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山が聞く。 デザイン、工費、建設期間など、数多くの問題を抱え続ける新国立競技場について、為末さんはどのように考えているのだろうか?

2020年に向けて

タケ:
新国立競技場の問題、どうお考えですか?

為末:
陸上競技場として残らないのは寂しいなと思います。とはいえ、陸上界がまとまって意見を出したかという点もあります。僕みたいなアウトサイダーは意見を言いましたが、陸上界全体がまとまって『これなら受け入れられる』という意見を出しても良かったという気もするんですけど。

さらにタケはたたみかける。

タケ:
やはり専用競技場が欲しいですか?

為末:
欲しいですね。スイスのローザンヌっていう所には、ほぼ陸上専門の競技場があるんです。観客席の作りから100m走を上、もしくは選手の背中から見られる場所もあります。

サッカーにはサッカーの観戦の仕方が当然あり、陸上には陸上の観戦の仕方がある。そういう意味では、陸上専門の競技場を陸上界がひとつ持って大事にするというのもアリだと考えているそうだ。

2020年に向けて、為末さんの先にあるのは東京オリンピックだけではない。

タケ:
東京パラリンピックのお手伝いもされていますね?

為末:
義足の開発ベンチャーの『サイボーグ』っていう会社のお手伝いをしています。

義足を履く選手のトレーニングを見ているという為末さん。その中に、日本選手は3人、アメリカの選手が1人。世界最速の義足と世界最速のパラリンピアンの支援をしようとしているのだ。

オリンピアンとパラリンピアンの実力差は、今は微妙なところだが、いずれ義足の方が早くなるとも断言した。そういう意味で2020年は、さらに新たな楽しみを我々に与えてくれそうだ。

2020年とその後

「2020年まで何をどうするか?」が、大命題の日本。しかし、注目を浴び続けたアスリートの現役引退後のキャリアが大切なのと同じように、2020年に世界から注目を浴びた日本のスポーツ界にとっても「その後」が必要なはず。それは何なのだろうか。

為末:
スポーツ界が変わっていく必要もある気がします。ひとつは自前で稼いで選手や役員に報酬を払うこと。さらにもうひとつは、社会の方から、『スポーツって社会に何をしてくれるの』と問う時代が2020年以降来ると思います。

2020年までは熱狂の中にいるが、そこから先は、具体的にスポーツがあって良かったと思わせて欲しいという要望が出てくると見込んでいる。そのための取り組みは今後欠かせないそうだ。為末さんは、さらにこう続ける。

為末:
一番良いのは世界中からパラリンピアンが2020年まで毎年、日本でプレパラリンピックをやって、羽田・成田、宿泊施設、競技場など、どこが問題かっていうのを集約して、それをイチから変えて行ったら、2020年には世界で一番バリアフリーが進んだ社会になります。そうなると、パラリンピックをやって良かったってなると思うんです。

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