料理人が嫌だった「アル・ケッチァーノ」のシェフ。成功に導いた“魂のスイッチ”

2017.10.31

経営・マネジメント

料理人が嫌だった「アル・ケッチァーノ」のシェフ。成功に導いた“魂のスイッチ”

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山形県鶴岡市のイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」のオーナーシェフ・奥田政行さん。地元・庄内産の食材を使って自由自在においしい料理に仕立てる奥田マジックは国内だけでなく世界からも注目を集めている。タケ小山が奥田シェフの果てることのないパワーと魅力の根底にある“想い”を探った。

父親と一緒に借金の後始末で駆けずり回りながら、奥田シェフは父親にこう宣言したという。

「店は、今はいったんあきらめよう。でもいつか俺が必ず再興するから」

そのとき、“魂”のスイッチが入った。

「奥田家を再び復活させるために、俺がやっていかないといけない」

1億3000万円もの借金、どうすれば返せるのか?考え抜いて出して結論は「人に使われていては、一生かかっても無理だ」ということだった。と同時に、お世話になってきた鶴岡に恩返しもしたかった。

「いつか鶴岡に帰って自分がオーナーになろうと決めました。逆算すると、そのタイムリミットは25歳。残り3年半でした」

「どんなときも」を聴きながら

小学生の頃から調理をしていた奥田シェフは、東京での修業中も同僚たちに比べて格段に器用で「みんなが30分かかるところを10分くらいで終えられて、楽勝って感じだったんです」と笑う。右手と左手を両方同じように使えるというのも、大きな武器となった。

だが、25歳までに鶴岡に帰り、いずれはオーナーになるという新しい目標を持ったことで「もっと厳しいところでの修業が必要だ」と考えるようになった。

そして選んだのが、VIPを顧客に持つ超高級レストラン。その料理を任されていた30代の気鋭のシェフは、優秀な人であったが相当なプレッシャーを抱えていることもあって、弟子に対して非常に厳しい人物であった。

「シェフを怒らせないように、機嫌を損ねないように、毎日意識を集中させていました」

調理場に入ってくるときのドアのノブのまわり方でその日の機嫌を読み取り、足音や姿勢から感情を察したという。

「朝一番に出す飲み物を何にするかも、様子を見ながら必死で考えるんです。毎日が真剣勝負でした」

厳しく叱責されてもシェフのことを嫌いになってはいけないと写真を常に持ち歩き、自らの気持ちを盛り上げるために出勤時にはロッキーやトップガンのテーマを聞いていた。

「今振り返ると、他の一切合財を捨てて料理道に突き進んでいたなぁと思います」

当時のヒット曲「どんなときも」の歌詞をマネして鏡の前で笑顔の練習も繰り返した。

「どんな時も満面の笑みで挨拶するようにしていたんです。最初は偽りの笑顔でしたが、気がつけば本当の自分の笑顔になりました」

「確かに、奥田さんのニコニコ顔は本当に素晴らしい」とタケも釣られて満面の笑みに。

「目の前のことを一生懸命やっただけ」

修行の場で「奥田、これできるか?」と問われたときには、必ずすぐに「はい」と答えた。

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