リスク回避の相場:債券短期市場、そして金相場考察

2017.10.20

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リスク回避の相場:債券短期市場、そして金相場考察

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北朝鮮がミサイル発射を繰り返す毎日。そこで今回は、リスク回避相場を考えてみたいと思います。 リスク回避相場とは、今回のようなミサイル発射、またテロ事件など有事を想定した場合の金融商品の反応を示しています。21世紀に入ってから、イスラム諸国からのテロ事件が注目されています。 2001年のニューヨークでの同時爆破テロが一番典型的な例と言えます。そこから始まったアルカイダ、IS(イスラム国)或いはイラン、イラクに対する米国などからの攻撃が主立った事象と言えます。最近では、欧州諸国でのISからのテロ事件も同種のものと考えられています。そして北朝鮮のミサイル攻撃も。リスク回避は地政学リスクとも解釈されています。このような相場環境が、金融市場に与える反応を見てみましょう。

筆者はスイス銀行時代に、チューリッヒ為替セミナーに参加しました。スイスの金融機関では、為替・金利ディーリングルームの中に、金を扱うチームが入っています。為替・金利と同様の重要度と言えます。セミナーの一日は郊外の銀行系列の製錬所を見学しました。金の製錬過程を見学し、そして金庫に積まれた眩いばかりの金塊を目にしました。担当者から一塊の金塊を持ち上げては言われて、持ち上げました。持ち上げられない程非常に重いものでした。大きな金塊であれば容易に持ち運びできないことも金を保有することのメリットであると実感しました。

金相場の動きを見ましょう。下記グラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は2012年からの動きを示しています。リーマンショックと言う金融市場の混乱からリスク回避の動きとなり、2012年には1,800ドル/オンス:近くにまで高騰しました。リーマンショックからの回復過程で、リスク志向に投資家の心理が傾き、2016年には1,100ドル近辺にまで価格が下落しました。リスク回避の事象が少なくなり、投資家はキャイタルゲインを求める傾向を強めました。今年については、FRBが利上げに踏み切り、欧州でもECB(欧州中央銀行)が来年からの資産購入を縮小する方向性を固めている。このようなことから、金相場には人気が離散していると言えました。しかし、年央からは、米国が利上げを遅らせるのではとの思惑がありました。

そして就任当初からトランプ大統領の大統領としても資質を問う議論、トランプ政権内の不協和音と、何かと問題のあるトランプ政権に対しては、不信感を持つ投資家は多かったのです。

そして、ISの欧州諸国を襲うテロ事件とリスク回避志向に向かいがちです。そして、それに輪をかける北朝鮮のミサイル発射と言う事象が金融市場を襲います。政治評論家ではないですから、論調は控えますが、この解決には相当の時間がかかります。このようなことが複合的に絡み合い、金相場が上昇の傾向を示しています。2017年8月28日から1,300ドルを上回ってきています。テロ、北朝鮮と考えると、金相場は今後大きくは下落しないのではないかと考えられます。今年に限ると1,200~1,300ドルの範囲ではと思われていましたが、その上限を上回ってきています。

対円でも上昇傾向を示し、5,000円を上回る価格で推移しています。リスク回避の金融市場が続く限り、金相場堅調が続くのではないかと言えます。

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