「長寿企業は日本の宝」 日本経済大学大学院特任教授 後藤俊夫 -世界が注目する日本の「100年企業」の研究と発信に奮闘-

2017.09.26

経営・マネジメント

「長寿企業は日本の宝」 日本経済大学大学院特任教授 後藤俊夫 -世界が注目する日本の「100年企業」の研究と発信に奮闘-

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日本ではファミリービジネスに対するイメージはあまりよくないのが現状だ。しかし、長年の研究から「100年潰れない長寿企業のほとんどがファミリービジネス。業績も優秀で、世界がその経営に注目している。『国の宝』というべきものだ」と喝破する学者がいる。 一般社団法人「100年経営研究機構」の代表理事も務め、国内外の長寿企業を分析し、社会に還元する活動に精力的に打ち込む後藤俊夫さんに「100年企業の秘密」について話をうかがった。(聞き手 仙石実・南青山グループCEO・公認会計士・税理士・公認内部監査人/構成・株式会社フロア)

そして、ファミリービジネスと一般企業の業績を比較してみると、ファミリービジネスが収益性、安定性、成長性など、いずれの点でも優れていることが分かりました。これほど数が多く、しかも業績のいい企業が、ファミリーでの事業承継を放棄したら、自らの強みを自分で放棄することになります。これは由々しきことではないでしょうか。

仙石)ファミリービジネスの強みとはどのあたりでしょうか?

後藤 経営は責任を持った人が、責任を持って遂行することが最も重要です。これをファミリー内で、代々、続けていくことこそが、一番の強みになるのです。その逆が、いわゆる「サラリーマン社長」ですが、結局、彼らは短期的な視点で経営を、「そつなくこなしていければいい」という考え方の連続になりがちです。代々、家業として続けてきた経営者の責任の重さと比較したら、同じ責任といっても、全然、意味が違います。

また、短期的な視点ばかりでは、どうしても時代に押し流されます。短期的には、配当も株価も大切でしょう。しかし、長期的には、いかに社会の役に立つかということが大切になります。むしろ、親族が代々続けていくことで、それは担保されることになるはずです。

経営者の方々には、ぜひ、短期ではなく、長期的なミッションとして、「企業が何のために存在するのか」を、常に考えていただきたいと思います。企業の97%がファミリービジネスで、その従業員数は日本全体の雇用者の7割以上に及びます。まさに日本経済の主役なのです。

そして、長寿企業の数が世界一という日本の企業経営は、世界中から注目されている。ぜひ、この重みを多くの方々に噛みしめていただきたい。長寿企業は日本の国宝です。

【プロフィール】
後藤俊夫 日本経済大学大学院特任教授
1966年 東京大学経済学部 卒業
1974年 ハーバード大ビジネススクール 卒業(MBA取得)
大学卒業後、日本電気(NEC)に33年間勤務。1999年に静岡産業大学教授になる。その後、光産業創成大学院大学、2011年4月から日本経済大学、同経営学部長を経て現職。これまでに東京工業大学、青山学院大学、東京都市大学大学院、日本大学グローバルビジネススクールの非常勤講師を務めた他、現在は近畿大学経営イノベーション研究所顧問、中国人民大学、南開大学などで特別研究員を兼務している。企業の「経営戦略」が専門分野。日本でも珍しく「ファミリービジネス」のエキスパートとしても知られる。100年経営研究機構代表理事、日本文明研究所会長、斯文会理事。

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