「長寿企業は日本の宝」 日本経済大学大学院特任教授 後藤俊夫 -世界が注目する日本の「100年企業」の研究と発信に奮闘-

2017.09.26

経営・マネジメント

「長寿企業は日本の宝」 日本経済大学大学院特任教授 後藤俊夫 -世界が注目する日本の「100年企業」の研究と発信に奮闘-

LEADERS online
南青山リーダーズ株式会社

日本ではファミリービジネスに対するイメージはあまりよくないのが現状だ。しかし、長年の研究から「100年潰れない長寿企業のほとんどがファミリービジネス。業績も優秀で、世界がその経営に注目している。『国の宝』というべきものだ」と喝破する学者がいる。 一般社団法人「100年経営研究機構」の代表理事も務め、国内外の長寿企業を分析し、社会に還元する活動に精力的に打ち込む後藤俊夫さんに「100年企業の秘密」について話をうかがった。(聞き手 仙石実・南青山グループCEO・公認会計士・税理士・公認内部監査人/構成・株式会社フロア)

守るべきものである伝統と、変えるべきことである革新。このバランスが非常に大事です。一方、長寿企業の経営者の中には「伝統とは革新の連続である」という人もいます。「日々、変化を続けるからこそ、100年続く」ということです。いずれにしても、変えてはいけないものが、「軸」として、その中心にあります。


ベンチャー企業でも長く続く6つの定石

仙石)昨今は、さまざまなベンチャー企業が登場しています。短期的利益を追求しているような企業も多いようなのですが、そんな企業が長く続くためのヒントはありますか。

後藤 「100年企業の定石」が6つあります。1つ目は経営において「短期10年、中期30年、長期100年」という視点を持っていることです。「短期10年」とは、後継者を教育して、バトンタッチする事業承継の期間です。「中期30年」は、社長が責任者として経営を引っ張る期間。「長期100年」というのは、孫の代だけでなく、3代先まで考えて計画を立てるということです。

2つ目は、持続可能な成長を重視することです。自分の能力を超えた無謀な経営を戒め、身の丈経営に徹します。

3つ目は自己優位性の構築です。100年も続いていれば、創業のときと同じ事業だけをやっていては難しい局面が出てきます。創業以来の事業を頑なに守るのも、もちろん尊いですが、「多角化」で乗り切ることも必要になるのです。多角化の方法も、本業と無関係な事業ではなくて、関連するところに拡大していくことが重要です。

4つ目は、従業員、客、取引先、地域社会など、企業を取り巻く利害関係者との関係性を、長期にわたって大事にすることです。それが信用につながります。

5つ目はリスク管理です。家訓だけでなく、財務的に見た安全性の確保や、経営の独立性も大事です。

6つ目は、次の世代への事業承継に向けて強い意思を持つことです。これは、他の国と比べて、日本は強いことが判明しています。

ファミリービジネスの強みは「責任の連続」

仙石)事業承継では、大きく分けて、親族内承継と第三者承継(M&A)があると思います。事業継承のあり方については、どのようなお考えでしょうか?

後藤 私は、「できる限り親族内承継を続けるべきだ」という立場です。海外の研究成果を見て驚いたのですが、世界に存在する企業の大半は、ファミリービジネスなのです。日本でも企業の97%がファミリービジネスです。大手も上場企業約3,500社中で、53%がファミリービジネスです。米国、イギリス、ドイツ、フランスなど、どの国でも同じような結果なのです。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

LEADERS online

南青山リーダーズ株式会社

専門家による経営者のための情報サイト

フォロー フォローしてLEADERS onlineの新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。