教師はハートか?テクニックか?

2008.02.10

ライフ・ソーシャル

教師はハートか?テクニックか?

寺西 隆行
(株)Z会

「教師に必要なのはハートか、それとも(知識を身につけさせる)テクニックか」 もちろん、両方とも必要なのですが(苦笑)、まずはどちらから身につけさせるべきか? 自分が教わる立場としてはどちらがほしいかー

瞬間的にこの質問に答えるとしたら、僕は迷いなく

「テクニック」

と答えます。

教師ー教えることのプローです。プロであれば、心よりまずは技術なんです。

補足。

「瞬間的にこの質問に答える」

としたら、です。

「ハート」と答えると、社会の人の受け止め方として、

「そうだよね!やっぱり気持ちが大事だよね!」

と…
テクニックを疎かにしても心さえキレイであればよい(心さえキレイであればなんとかなる)、という間違った考えが跋扈しそうだからです。

「多くの人の助けになりたい!」と思っているだけで技術を磨かないヤブ医者よりも、「医者だとお金が儲かるなあ」という金の亡者!?だけれども技術が確かな医者の方が、プロでしょうし、自分も診てもらいたいー
そうですよね。

「テクニックを疎かにしても心さえキレイであればよい」
つまり、優しい心からくる「子ども達に教えたい!」という気持ち…
これらの気持ちを持っている「教え手」が、マーケティング用語における「プロダクトアウト」の考え方に陥っていること、よくあるんです。

「自分は優しく教育熱心だ」→「だからその授業を受けてもらいたい!」

ハートがある教師の中で、こんなプロダクトアウトの考え方をされる方、結構いらっしゃるんです。
※結果的に「自分の考えの押し付け」なんですけど、動機が「自分に従わせたい」のではなく、純粋に優しい心からきている場合が(教師の場合)ありますので、ヤッカイです。

そうじゃない、時代は「マーケットイン」。
生徒に応じて提供すべきことを変える「テクニック」が必要です。

もちろん、その根本となる「教科知識・背景」も当然必要です。

一つ、企業活動と異ならなければいけないのは、何でもかんでも生徒の(表面的・短期的な)ニーズに応えてはダメ、ということでしょうかね。
「教育は百年の計」ですから。
※在学中に生徒に余り好かれず、卒業生から慕われる先生が、素晴らしい先生~などということも伺ったこともあります。

ただ…僕の定義する「ハート」の中には、「プロ意識」を含んでいます。

つまり、本当に「生徒のために」と思っている教師であれば、「子ども達の役に立ちたい!」という表面的な気持ちだけではなく、「技量も備えなければいけない」と思うはずなんです。

ここまで説明する時間を頂戴できた場合は、タイトルの質問には

「ハート」

そう答えますね。

学生さんの典型的な質問の一つに

「医者になっていろいろな人を救いたい!だけど、数学も理科もできなくて…どうすればいいですか?」

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寺西 隆行

寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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