「病児保育」のビジネスモデル

2007.04.21

経営・マネジメント

「病児保育」のビジネスモデル

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

新しい商品開発のヒントは 「不」 の付く言葉にある、とよく言われます。 つまり、不平、不満、不便など、意識的、あるいは無意識的に 消費者が感じている問題を発見し、その解決策を考えることが 商品開発のネタになるというわけです。

病気の子供を預かって欲しいお母さんから連絡を受けると、
都合のつくレスキュー隊のおばさんに連絡し、子供を
迎えに行きます。

そして、かかりつけの小児科医の診察を受けて、預かるのは
問題なしと判断された場合のみ、母親の仕事が終わるまで
「自宅」で面倒を見るという仕組みです。

預かっている間に幼児の病状に異変が起きたような場合には
待機している医療スタッフにすぐ連絡できる体制も築いて
います。

レスキュー隊のおばさんにとって、病気の幼児を預かるのは、
とても気を遣う大変な仕事ですが、自分の経験も活かせるし
それだけにやりがいもある。

私の勝手な推測ですが、自分の子育てが終わってぽっかりと
空いてしまった心のすきまを満たしてくれる、
とても魅力的な仕事じゃないかと思います。

しかも、都合の良い時だけ働けるアルバイトとして
相応の収入が得られるということで、
レスキュー隊のなり手には事欠かないようです。

一方、当サービスは、

入会金2万円、月額5千円~2万円(サービスが3タイプあります)

の会員制サービスとなっています。
(この基本料金で、月1回は無料で預かってもらえます)

子供が病気になった時しか預からない「病児保育」ですから、
預かった時だけお金をいただく料金制度では、
運営をまかなえるだけの収入が得られないためです。
(ただ、十分にリーズナブルな価格ですよね。
 一般社会人の方が無理なく支払える水準でしょう)

なお、当サービスがカバーしているエリアは、東京都の以下の区です。

中央区/江東区/江戸川区/墨田区/文京区/品川区/千代田区/港区/
新宿区/杉並区/目黒区/渋谷区

さて、こうして後付けでビジネスモデルを書いてしまうと、

「なんだ誰でも思いつけるアイディアじゃないか」

と思われる方もいるかも知れません。

でも、事業は、発想・企画することの10倍、いや100倍以上、
実行し継続的に運営できる仕組みを作り上げるのが大変
なのです。

フローレンスの場合は、
これだけの仕組みを作り上げるのに3年かかっています。
そして、黒字運営への道筋はすでにできているようです。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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