経営戦略構文100選(仮)/構文11:SCPパラダイム

画像: ぱくたそ

2016.11.24

経営・マネジメント

経営戦略構文100選(仮)/構文11:SCPパラダイム

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。

グラビアアイドルはおいておいて、話を元に戻しましょう。SCPパラダイムです。

まあ、ポーターのフレームワーク理解には必須なんですが、世の中的にはそのエッセンスを無視して説明されていると思いますので、説明してみましょう。

それでね、以前にファイブフォースモデルは完全競争市場からどの程度離れているかを分析するんだということを書いたじゃないですか?(たぶん書いたはずです。)

完全競争市場では、超過利潤は失われる。しかし、一般的市場はそうではない。完全競争の条件から離れれば離れるほど、超過利潤が得られるということになるわけです。完全競争市場の条件は、①多数の売り手と買い手の存在、②財の同質性、③完全情報、④参入、撤退の自由の4つでしたね。

売り手、買い手の数に制約があり、財に差異があり、情報は行きわたらず、参入障壁があるならば、現在利潤を得ている企業はずっと儲かり続けそうであることは、直感的にもわかるでしょう。

その離れているあり方を規定している変数を構造的変数と言います。すなわち、業界の構造とは、完全競争市場から何によってどのように離れているか?によって規定されます。その規定する変数を構造的変数というんですね。

これは、戦略の世界でいう戦略変数のことです。これがSCPパラダイムのS:構造ですね。

では、S:構造からC:行動を考えてみます。

もしね、業界の構造があって、その構造が企業行動を定めているならば、構造的変数、すなわち戦略変数が企業の行動を定めているはずですよね。これを信じるのがSCPパラダイムです。

でも、実際にそうでしょうね。業界のプレーヤー数が増えないことが業界/企業の収益性を定めるならば、構造的変数は企業行動の与件になります。

それでね、戦略がもしも、「持続的競争優位を保持する打ち手の束」と捉えるならば、打ち手の束はまさに行動じゃないですか?だから、業界構造、構造的変数、戦略変数が企業の戦略を定めているといえるわけです。

その戦略がナッシュ均衡のように一様に定まる場合もあるでしょうけれど、戦略変数が多ければ、企業の戦略は多様になります。すなわち、戦略的自由度が上がってくる。

その戦略的自由度の中での企業の行動選択が、業界/企業の収益性を決めている。

これがC:行動からP:パフォーマンスですね。

構造が行動を決め、パフォーマンスを決める。

これがSCPパラダイムで、業界構造、外部環境が企業の戦略的自由度を定め、その自由度の中での行動選択がまさに収益性を決めていると考える考え方です。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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