調達購買改革を巡る誤解 その1

2016.08.29

経営・マネジメント

調達購買改革を巡る誤解 その1

野町 直弘
調達購買コンサルタント

集中購買を進めているのに何故サプライヤ集約が進まないのか、サプライヤ集約を進めているのに中々すすまないのは何故なのか、集中購買やサプライヤ集約を進めているにも関わらずコスト削減が進まないのは何故かなのでしょうか?そもそも改革の目的が不明確であったり、目的と手段が入れ替わったりしていることが指摘されます。

一方でサプライヤ集約の目的をモノのコスト(単価)削減ではなく業務コスト削減を目的としているケースもあります。所謂口座数を減らすことで管理コストを削減していきましょう、ということです。管理コストの測定は非常に難しいという点はあるものの、これはこれでありでしょう。
しかし、業務コスト削減を目的としたサプライヤ集約であれば別のアプローチをとる必要があります。例えばトップダウンでヘッド(発注金額の多い企業)を残しテール(発注金額の少ない企業)部分を切り取る、とか、商社は商社でまとめる、とかメーカー直接ではなく商社経由の取引にする、とか、メーカーとの取引であれば代替品の有無から集約するか否かの判断をする、などです。いずれにしてもこの場合はかなりの力技が必要になりますし、現場主導で動かなければ様々なリスクが残ってしまいます。

このように「集中購買」=「サプライヤ集約」=「コスト削減」と厳密な意味で繋がらないことは理解していただけたでしょう。集中購買を進めているのに何故サプライヤ集約が進んでいないのか、サプライヤ集約を進めているのに中々すすまないのは何故なのか、集中購買やサプライヤ集約を進めているにも関わらずコスト削減が進まないのは何故か、という疑問に対してこのような課題設定自体に誤解が含まれていることが理解できます。

次回はその2.「サプライヤ評価」=「サプライヤマネジメントの誤解」について述べていく予定です。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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