価値生産時間について

2016.08.08

仕事術

価値生産時間について

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

ビジネスとは、価値と対価の交換である。従って仕事とは、何らかの価値を生み出して顧客に提供する結果、価値に見合った対価を得る行為といえる。そこで考えてみたいのが、自分の価値生産時間である。一日の全労働時間のうち、実際に価値生産に充てられている時間はどれぐらいだろうか。


仕事時間と仕事品質の関係

40時間以上仕事をすると効率的ではない。そう言い切られると、いささか不安になる。フリーランスとして仕事をしている以上、仕事量を減らすことは売上減少、すなわち実入りがそれだけ減ることを意味する。
従って、仕事は受けられるだけ受ける主義である。取材日時がバッティングしてしまってはどうしようもないが、それ以外のケースなら、なるべくオファーは断らない。土日などに取材を打診されると、他の仕事とカブる心配がないから喜んで受けてしまったりする。
そんな日々を送っていると、当然、一週間に40時間以上働いている。自分ではそう思っていた。けれども、それで効率が落ちているとすればどうなるのか。
書き仕事で効率が落ちると、原稿のクォリティに悪影響が出るのではないか。自分では「やっつけ」仕事だけはやるまいと決めている。一度でも、依頼主から「手を抜いた」と思われたら、次の仕事はないからだ。相手のクライテリアに照らし合わせてみて「このレベルではダメですな」と言われるのなら、それは仕方がないこと。最善を尽くしても、手の届かない世界のあることはわかっている。
だから、がんばっているつもりなのだが、知らず知らずの内に『書く・チェックする・書き直す・推敲する』レベルが甘くなっていることはないのか。40時間以上働いているがためにクォリティが落ちているとすれば、それは問題である。


実労働時間を計ってみると

ここは、まず現状を掴むことである。自分は一体どれぐらいの時間、集中して仕事をしているのか。実労働時間を計ってみることにした。といっても大層なことをするわけではない。テキストエディターで原稿仕事を始める前にストップウォッチアプリのスイッチを入れ、終わったら止めて、時間をExcelに記録する。書く仕事、聴く・読む仕事(取材)、打合せ(ほとんどないけど)の3種類に分けて、それぞれ時間を実測してみた。
その結果、7月27日から31日までの、実労働時間は28時間44分、1日平均5時間44分である。8月は7日までで32時間、1日平均4時間35分。全然、仕事していないことが明らかになってしまった。取材に出かけるとき以外は、基本的に机に向かっているはずなのに、この体たらくぶりはどうしたことか。
時間はかなり厳密に計測した。つまり、原稿を書いていて、ちょっとメールをチェックしたとか、ブログを読んで、リンク先を見に行っていたなどの時間は、必ずストップウォッチを止める。気分転換した後、原稿を書き始める時に、またストップウォッチのスイッチを押す。
だから、計測時間は、リアルに実労働時間である。実際、集中して書いたなと振り返ってみても、1時間経っていることはあまりない。筆者の場合、それぐらいしか集中力は続かないようだ。

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