現場力を鍛える

2016.02.10

経営・マネジメント

現場力を鍛える

野町 直弘
調達購買コンサルタント

ある刑事ドラマで「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」という名言がありました。この言葉ではないですが物事の多くは現場を見ることで解決したり、理解が深まることが多いです。 調達購買にとっての現場とはサプライヤの工場であり、本社であり、サプライヤそのものだったりします。それを知ることはとても重要なことです。

先日、ある企業の調達購買部門の若手を集めた研修のコーディネータを務めました。
今回はこちらから教えるというスタイルではなく、グループ討議を中心とした進め方で、これはこれで意識改革にもつながる優れたやり方だな、と実感した次第です。
それと同時にいくつかの気づきがありましたので、今回はそれについて述べていきます。

ある刑事ドラマで「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」という名言がありました。この言葉ではないですが物事の多くは現場を見ることで解決したり、理解が深まることが多いです。

調達・購買にとっての現場とは、購入しているモノやサービスを作っているサプライヤの工場やサプライヤそのものを指します。物品でない役務やサービスであっても現場とはその役務やサービスを受ける場面や場所のことと考えられるでしょう。

現場を見ることで様々なことが分かります。サプライヤの工場を見ることで自分が購入しているモノがどのように作られているか、理解できます。またどのように作られているか理解できればその技術や設備を使って作れるものと作れないものを判断することもできるようになります。また作り方が理解できればある程度のコスト試算もできるようになります。
多くの人手や高価な設備を使っていれば当然コストは高いでしょう。

また、それだけでなく、サプライヤの実力や会社としての信頼性などを判断することにもつながります。例えば現場の5Sが整っていれば、この様な定性的な見方だけでも、対象企業のマネジメントがしっかりしていることが分かるでしょう。工場がない企業であってもサプライヤの本社を訪問しどのようなオフィスなのか、またオフィスの入り口が清潔であり、整頓されているかどうか、受付の対応がどのようなものか、等でその企業のカラーやどういう企業かということを垣間見ることも可能です。

さて研修の話に戻りましょう。
この研修では各グループ毎にテーマを決めて6-7人のメンバーでそのテーマに関する課題について討議し解決方法を見つけていく、というものでした。テーマは各チーム毎に決めましたが、どのグループでも共通した課題の一つがコスト妥当性の評価、所謂コスト査定能力を如何に高めていくかということ。コストの妥当性を評価するためにはどうしたら良いでしょうか。まず分かりやすいのは複数社で比較することです。所謂相見積りやコンペです。またコストドライバー分析のように実績を元にして統計的な手法
でコストの妥当性を評価する方法もあります。また過去実績や過去案件を元にコストテーブルを作成し、それによって妥当性を評価する方法も。いずれにしてもエクセルを使った計算の世界です。

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野町 直弘 / 調達購買コンサルタント

パーチェシングマネジャーによる市況、景況感のレポートを発行いたしました。当レポートは、各業界・企業の調達購買マネジャー(PM)による市況動向や予測、景気動向などについて討議し、それを発信していくものです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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