実行するビジネス・パーソンは何が違うか  ⑥やっかいな自己都合の役割意識

画像: Andrew Taylor

2015.12.24

組織・人材

実行するビジネス・パーソンは何が違うか  ⑥やっかいな自己都合の役割意識

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

部下やメンバーは仕事を上から与えられているのに、上司(リーダー)から見れば、役割意識を持っていないというのはどういうことなのだろうか。本当に部下やチームメンバーは役割意識を持っていないのだろうか。

役割意識とは、まず自分がやるべきことへのコミットメントという意味となるが、役割意識はどうすれば生まれるのだろうか。

仕事の内容や部門は配属の時点では、大企業になればなるほど自分の業務上の役割(部署や職種)を自分で選ぶのは困難だし、スペシャリストとして転職するなら別だが、中小企業においても、自分が望む通りの仕事だけをしている人はほとんどいない。

それ以前に、自分自身で自分の本当の適性や得意なことを正確に把握している人も少なく、これまでかかわってきた仕事の中で身についてきたスキルや知識を生かすという形で、希望の部署や職種を上司や人事に提案することになる。

とはいえ、同じ部署でも人によってやる仕事は全く異なることのほうが普通で、いつも自分が思い描いていた仕事ばかりできるとは限らない。

誰でも会社から与えられている大まかな役割に関しては認識しているはずだ。営業であれば売り上げを上げるのが役割であり、経理であればスムーズな経理処理を行うのが役割となる。なので、普通に考えれば、役割意識があるとかないとか以前の問題であり、給料をもらう代わりに、会社から与えられた仕事を遂行するのは、至極当然のことのように思える。

では、部下やメンバーは仕事を上から与えられているのに、上司(リーダー)から見れば、役割意識を持っていないというのはどういうことなのだろうか。本当に部下やチームメンバーは役割意識を持っていないのだろうか。

チームリーダーやマネージャーとして部下やメンバーを見た場合、いわゆる痛い現象として多いのが、相手に対しる期待値、期待像を当の本人がまったく理解していない、理解しようとしない、あるいは理解したい気持ちはあるが周囲のせいでそれは無理だと思っていることだろう。

おそらくそれが、リーダーから見た場合の部下の「役割意識の低さ」ということになっている。

市場や環境のせいにして、自分の無力さ、責任はない(こういう市場で現在の商品で勝負しようとする会社が悪い)ことを主張する人はたくさんいる。自分は組織人としての役割は十分に果たしているのだが、いかんせん条件が良くない、と。

また、「そもそもそういう期待自体がありえない」「誰ができると言うのだ」「そもそも俺がやる仕事ではない」と息巻く人もいる。(もちろん、正面切ってではなく陰でだが)

残念ながら、こうしたひとたちは、自分の組織における最大の役割が、「成果を上げる」ことだということが分かっていない。間接的に貢献していると言い張るのだろうが、痛い話だが、それは他の誰でもできる仕事であることが多い。

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