人事の役割:アスペルガー症候群(大人の発達障害者)の社員への対応

画像: アスペルガー症候群(困った人への対応)

2015.12.13

組織・人材

人事の役割:アスペルガー症候群(大人の発達障害者)の社員への対応

鬼本 昌樹
戦略人財コンサルタント 代表

問題社員と思われている社員の中には、アスペルガー症候群の人も含まれているかもしれない。その症状がおよそ確認できてもどのように対応していいのか分からない企業もある。それまで問題社員として対応してきて、アスペルガー症候群の可能性があると気づいた瞬間、人事も、彼らのそれまでの謎めいた言動が分かり、謎から解放されることになる。しかし、本当の解決策にはまだまだいたらない現実がある。

多くの障害者は、診断を受けて初めて自分の病名が分かった瞬間、とても晴れやかな気持ちになった感想を述べてる。

「人を大切にする企業」の“人”って誰なんだ?と感じてしまいました。どうみても全員ではなさそうな気がした。「(私たちは、できる人、会社に面倒をかけない)人を大切にする企業」としか理解できない。

人事の役割として、人を大切にすることはどういうことなのか、具体的に明確に分かりやすい言葉に置き換えて検討していただきたい。

結論

結局、何も知らない当該の社員に対しては、会社は就職支援はすることになった。本人には、何も知らせないで退職してもらうことになった。

後は、彼の就職支援の時に、人事コンサルタントとして、産業カウンセラーとして個別対応をすることにした。つまり、性格診断と適正検査を行い、その結果を通してカンセリングを行う。どこかの時点でアスペルガーの可能性があることを伝え、専門医の診察を受けてもらえるように、また、会社には何の影響も及ぼさないように最大限の注意をして行うこととした。

この経験を通して、さらに人事の役割の重要性を感じてしまった。社内の人材をいかに活用するかという”人材”から脱して、人材がイキイキ、ワクワク仕事ができる環境と仕組みを提供し、「自己実現」が叶えられる支援ができる人事のありかたを目指したい。こうなると、採用の時点から変革が必要となってくる。できない人材を切るのは、誰でもできるが、できない人材を作らない仕組みと仕掛けを人事が変革のリーダーとなって会社を変えなければならない。いつまでたってもできない人材を切ることしかできなくなってしまう。少子高齢化、女性の活躍の場の拡大、グローバル化など人事を取巻く外部環境の変化はますます加速しており、今から、人事としてどのように会社で活躍できる人財を増やしていくか、その変革のリーダーとしていく必要があるのではないか。

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鬼本 昌樹

戦略人財コンサルタント 代表

人事の役割は、グローバルでは2005年あたりから大きなパラダイムシフトが始まりました。それは、社員の自己実現を達成させる仕組み、制度、支援を人事が行うことです。社員が安心して会社で最大のパフォーマンスを発揮し、それが経営目標の達成、さらには事業発展に貢献できる仕組みを人事が担当する時代になったのです。 人事機能を運用管理するだけの役割は、グローバルの優良企業にはもはや1社もありません。 このような人事の役割の変化と事業の発展は等しく関係しています。日本企業の真のグローバル化、世界で戦う人材のマネジメントを行う人事部門の再構築の支援をさせて戴いております。

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