サル仕事が新たな発想を生むことの示唆

2008.01.10

仕事術

サル仕事が新たな発想を生むことの示唆

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

昨日、紙の資料をPCに入力するため、 ひたすらキーボードを打ち続けていると、 新たな発想を得る瞬間がやってくるという話を書きました。

サルでもできる、あるいはサルにでもやらせたい、
そんな退屈な単純作業という意味の

「サル仕事」

が新しい発想をもたらしてくれるというのは、
不思議なことですよね。

さて、なぜこんな現象が起こるのかという理由については、

「知的情報の読み方」(妹尾堅一郎著、水曜社)
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を読んでくださいということにしておりましたが、
それはあまりにひどかろうと思いましたので、
同書の中で、妹尾氏が挙げている3つの理由(示唆)を
ご紹介しておきます。

1点目は、
「量」は「質」に転換する
ということです。

ひたすらデータを入力するという単純作業を通じて、
少しずつ蓄積されていくデータが、
ある閾値を超えた瞬間に一挙に抽象概念として焦点を結ぶ。

ひたすら同じ動作を繰り返すことは、
スポーツや武道の基本練習に似ていますね。

一流の域に達したアスリート、武道家は、
やはり、「質」を云々する前に、まずは圧倒的な練習、
稽古を積み重ねることの重要性をわかっています。

2点目は、サル仕事から新たな発想を得るということは、
「ミョウバン型」の発想法を無意識に実践していた
のだろうということです。

妹尾氏によれば、発想法は大別すると

「樹氷型」と「ミョウバン型」

の2つがあると考えているそうです。

樹氷型は、ある軸(樹氷でいえば樹木そのもの)がまずあり、
そこにさまざまな情報(樹氷)を付加していくことによって
新たな発想を導くものです。

一方、ミョウバン型は、ミョウバンを水にどんどん溶かしていき、
一定の濃度を加えたところで強い衝撃を加えると突然結晶化する
現象になぞらえて、情報の蓄積から突然新たな着想を得ること。

ここで、樹氷型とミョウバン型の発想法の違いは、
樹氷型は、元の軸(樹木)が核としてあるために、
その形を超えた発想が生まれることはないのに対して、
ミョウバン型は、その水溶液と結晶がまったく異なる姿を
しているのと同様、元の情報と、新たに得た発想に大きな違い
(飛躍)があるという点です。

私の考えでは、樹氷型は、ロジカルな手順を踏む各種発想法
(オズボーンのチェックリストなど)のテクニックが適用可能。
しかし、ミョウバン型は、漠然としたテーマはあっても、
出発点としての軸はなく、とにかくひとつの箱(頭脳)の中に
大量のデータをぶち込んでいくうちに、突然変異的に閃きを
得るもの。

したがって、ミョウバン型の発想法は、明快なテクニック
として確立できるようなものではないと思います。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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