できる男は家事もできる~効率的な家事シェアのススメ~

画像: Brent Eckley

2015.09.03

ライフ・ソーシャル

できる男は家事もできる~効率的な家事シェアのススメ~

日野 照子
フリーランス ライター

家事も仕事と割り切って、ビジネスライクに取り組むことで効率的に家事シェア。仕事も家事もできる人が、これからの社会を作る。

【タスク分割と標準化でストレスなく家事シェア】

長年事務の効率化コンサルをやってきましたが、実は家事シェアにも同じ手法が使えます。

まず、AS-IS(現状)分析を行って、家事を細かいタスク(作業)に分割します。例えば「夕ご飯を作る」ではなく、「献立を決める」「食材を買う」「調理をする」「盛り付ける」「食卓に運ぶ」「食器を洗う」「残り物をしまう」などに、分解することで、ひとつひとつのタスクが具体的になります。次にその分割したタスクの役割分担を決めます。「夕飯を作って」と言われると荷が重くて引いてしまいがちですが、こうすれば、夫婦がそれぞれ自分にできることを分担するだけで済みます。

もう一つ大切なのは、それぞれのタスクの標準化です。家事シェアにおけるストレスのひとつに、妻(あるいは夫)のやり方が自分と違うというのがあります。家事は生まれ育った環境で自然と身につくことも多いため、やり方が少しずつ違うのは当たり前のことです。それをいちいち、どちらかのやり方に矯正しようとするとお互いのストレスになります。

そこで、食い違うタスクが発見された場合には、めんどうでも、一度どうするかの標準化ルールを話し合って定めます。洗ったお皿の置き方や洗濯物のたたみ方などの小さなことでいらいらするくらいなら、こうした方がいいと提案してみましょう。ベストではなくとも、ベターな妥協点は必ず見つけられます。

この時、注意しなければならないのは、上から目線で、こういう方法でやれと言わないことです。事務の効率化で障壁となるのは、長年そのやり方でやってきた「ベテラン」にやり方を変えてもらうことです。新しいやり方を提案されると、自分がやってきたことを否定されているように思え、つい反発するのが人情です。妻(あるいは夫)がそうならないよう気を付けましょう。

【いずれは「仕事ができる人は家事もできる」社会になる】

このタスク分割と標準化の手法は、会社におけるさまざまな仕事にも応用が利きます。一度、身に付けてしまえば、仕事も家事シェアも上手にできる一石二鳥のスキルなのです。家事だと思うとお母さんや妻がやって当たり前みたいに思ってきた人も、家事を仕事だと思えば、ビジネスライクに取り組めるはずです。

「すべての女性が輝く社会つくり」を本気で進めるのであれば、企業内の平等を推進するとともに、家庭内の平等も推進しなければ成り立ちません。すでに必要に迫られて、あるいは家事も育児も楽しみたいと、変わってきている人は大勢います。「仕事も家事もがんばる女性」のパートナーはおのずから「仕事も家事もできる男性」になるよう、社会は変わっていくのだと思うのです。どうせなら、いやいや手伝うより、ビジネスライクに効率的に家事シェアしませんか。

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日野 照子

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いつか時代は変わる。言葉は世界を変え、思いは伝播していく。誰かが誰かを抑圧し、搾取する社会を変えたい。

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