「縮み」のなかで如何に生きていくべきか

2008.01.08

ライフ・ソーシャル

「縮み」のなかで如何に生きていくべきか

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

何とも大変な年明けになってしまった。 大発会のご祝儀相場さえ吹き飛ばした株価大幅安は米国市場に引きずられ、底が見えない。 原油高を背景にした、石油や食品など様々な製品の値上げは生活を直撃する。 一方、環境問題に目を移してみると、各地のスキー場の雪不足や、暖かな年末年始の気候に温暖化の進行を身近に体感した人も多いようだ。

■「ただ縮むな、よく縮め」

主に環境問題のキーワードであるが、「縮み」がこれからの一つのキーワードだそうだ。
韓国料理の「チヂミ」ではない。
縮むこと:しわが寄る。ちぢれる。へらす。弱める。省く。(広辞苑 第五版)
この場合”へらす。弱める。省く。”の意がふさわしいだろう。

何でも手に入り、モノが満ちあふれている、物質的文明。
大量生産、大量消費、そして大量廃棄を縮小して、少し前の時代に倣った暮らしを考えようという主旨であるらしい。
その思想の根本は、能動的かつ、ポジティブに「縮む」のであるが、環境問題だけでなく、昨今の経済環境を考えると、好むと好まざるに関わらず、我々の生活は縮まざるを得ないだろう。
「為すべきか、為さざるべきか」の選択肢は残念ながら残されていない。
とすれば、「ただ生きるな、よく生きよ」に倣い、「ただ縮むな、よく縮め」と考えたい。
如何にQuality of Lifeを確保したダウンサイジング型の暮らしを実現するかが、これからの人々にとってのテーマであり、経済やマーケティングのキーワードなのだ。

■昔を知る者こそ「縮み」の率先垂範を

「縮む」ことに対して抵抗感を持つ人も少なくない。
興味深いデータがある。
毎日新聞が1月6日に発表した世論調査だ。
「京都議定書の温暖化ガス削減目標を守るため、自らの生活レベルを下げることができるか」という質問に対し、全体では49%がYesとし、Noの41%を上回った。
しかし、温暖化問題への関心に関しては年代別で見ると、「関心がある」の割合が最も高い年代は50代で95%。30代と40代が90%、60代88%、70代以上85%と続き、20代が83%で最も低いという結果になった。
このニュースは某SNSでも取り上げられ、ユーザーが数多くのコメントを記している。そして驚くほど否定的な内容が多い。
そのSNSのユーザーは20代も多いことから、調査結果の低関心層と重なる故、否定的な意見が多いのもやむを得ないだろう。
確かに若い世代は昔の生活に回帰するがごとく、「生活レベルを下げ我慢よう」と言っても、その「昔」を知らないが故に、縮むことへの抵抗は大きいだろう。
まして、今の若年世代はバブル経済の恩恵に浴することもなく、むしろその後の様々なひずみや不都合の影響を多く受けた世代だ。その世代に一層の自己犠牲を強いるのは酷とも言える。
だとすれば、昔を知っている者、縮み方がわかっている上の世代が率先垂範するのが筋というものだろう。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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