間接材購買は何故上手くいかないのか。- その2

2014.10.09

経営・マネジメント

間接材購買は何故上手くいかないのか。- その2

野町 直弘
調達購買コンサルタント

今回は先週に引き続き間接材購買が上手くいかない理由について述べています。

先週に引き続き「間接材購買」についてです。

今回の三週にわたる「間接材購買」については私の現場体験を踏まえて本音を書いています。これは多くの企業で間接材購買に従事している人たちが報われておらずそういう方々やマネジメントに対して気づきや動機づけの一途になればと考えているからです。
ご批判やご意見もあるでしょうがそういうことも含め将来に繫げていくために書いていることをご理解いただければと存知ます。またもしご批判やご意見がありましたら是非ともいただければ幸いです。

前回書かせていただいた通り、同じ企業で10年前と現在でも同じこと(やりやすい品目のコスト削減活動)をやっているだけで、多少対象品目の入れ替わりはあるものの、目的や活動は殆ど変わっていないことを指摘しました。
その一つの大きな理由として人の問題を上げました。人の問題とは異動によって何年かに一回人が入れ替わりスキルの継承や仕組みの構築ができている企業は少ないということ、それから間接材プロフェッショナルを単なる便利なコスト削減要員としてしか活用できていない、ことを上げました。

また前回外部企業の活用によるコスト削減の実行、という点もスキルが継承されない理由の一つだと申し上げましたが、一方でサプライヤ側はこのような活動をどのように捉えているのでしょう。
私はVOS(ボイスオブサプライヤ)を推奨しサプライヤの声を聞きなさい、と常に申し上げております。何故なら今後益々間接材であってもサプライヤやパートナーの力を活用しなければならないからです。しかしサプライヤのパフォーマンス評価も含む包括的なサプライヤマネジメントを間接材領域で実行している企業は数えるほどしかありません。
外部企業にコスト削減実行を委託している企業は本来であれば最も大切なサプライヤとのコンタクトポイントを他社に委託している訳ですから、サプライヤマネジメントなどできている筈はないのです。
またどちらかというと社内でも力が強くない間接材購買チームですから、社内的な抵抗があまり多くない「やり易い」品目が繰り返しコスト削減のターゲットになるので、その対象品目のサプライヤにとっては至って面倒な状況であることは容易に想像できます。
実際にそのような対象品目になりやすい競争環境の激しいマーケットのサプライヤからは悲鳴に近いような声を良く聞きます。彼らの言いたいことはこういうことです。

「競争が激しいのは止むを得ないが、業者ではなくパートナー、少なくともサプライヤとしてみて欲しい」
「価格だけでなくその他のことも評価して欲しい」
当たり前と言えば当たり前。
あるサプライヤから本音ベースでこのような話を聞いたことがあります。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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