購買手法の普遍的な考え方と交渉力

2014.08.07

経営・マネジメント

購買手法の普遍的な考え方と交渉力

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

教科書には載っていない購買手法とその普遍的な考え方について話ます。

私の購買界の友人である岩城氏の「中国調達とものづくりの現場から」というメルマガhttp://archive.mag2.com/0000241825/index.htmlはとても面白く深く毎回楽しませてもらっています。

中でも先週号のメルマガは非常に興味深く読ませていただきました。

岩城さんの会社は受注生産型の製造業で所謂少量で単発の部品購買をしています。一般的に調達・購買の世界ではセミナーや先進事例として自動車や電機、その他の量産型モデルを中心とした話が殆どです。また、基本となるのは量をまとめてボリュームメリットを活かすということ。

岩城さんがメルマガで指摘されたのは、このような手法は量産型の製造業では通用するが、自分達のような少量で単発の生産を行っているサプライチェーンモデルでは限界があるとのことでした。
また、それではどのようなやり方がよいかというと、サプライヤの生産余力に小口のスポット案件をあてはめることでサプライヤにとって美味しい商売にすることだ、とおっしゃっています。
つまり、少量単発の調達・購買で安く買う購買手法はサプライヤを多様化し、相手にとって自分たちの案件を美味しい商売にさせることだ、ということになります。

目からウロコです。
このような手法を取るとサプライヤは既に固定費を既存の(大口の)取引でカバーしているので、上手くいくと限界利益(売上高から変動費を引いたもの)スレスレの安いコストで購入する事ができます。しかしその為には多くのサプライヤとの関係があって彼らの生産余力の状況を理解していないと上手く当てはめることができません。
またそのためには「闇雲に多ければ良いという訳では」なく、「ともかく多様でなくてはならない。」と書かれています。

調達・購買手法の教科書的には、サプライヤを集約し、1社あたりの発注量を増やし、ボリュームメリットを活かしてコスト削減を図りましょう、ですから真逆になことがわかります。

以前私が外資系企業の調達部門にいた時にある国の調達部門の責任者から、こういう話をされたことがあります。
「我々が目指しているのはコバンザメ購買だ」と。
これはこの責任者が所属する企業は自国ではあまり大きな企業ではなく、サプライヤとの交渉力は決して強くありません。ただし全世界的に見ると巨大な企業であり、本社サイドで有利な条件で契約しているケースが少なくないのです。この有利な条件を如何に自社の契約に活用するか、これによってコスト削減につなげていく、というのです。
大きな企業全体やコーポレート機能を上手く活用していく、「まるでコバンザメのような購買手法だ」と、言っていたのが印象的でした。
ここで取り上げたコバンザメ購買も調達・購買手法の教科書には書かれていないことです。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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