日本の子どもの学力が低下しているワケ

2007.12.05

ライフ・ソーシャル

日本の子どもの学力が低下しているワケ

寺西 隆行
(株)Z会

経済協力開発機構(OECD)が実施し、57ケ国・地域で約40万人の15歳男女が参加した国際学力テスト「学習到達度調査」(PISA)の結果が発表され、「読解力」「数学的活用力」「科学的活用力」のいずれも芳しくない結果に。 結果だけを見ると「本を読ませなきゃ」「科学的発想力を身に付けさせなきゃ」という短絡的な話になりがちですが、本質的な欠落は別にあると感じています。

一言で言うと、「待つ」ことができないんですよね。若い人ほど。

数学的活用力や科学的活用力の向上には、思考力が不可欠です。
思考力は、「身についた」という実感がすぐに顕れるわけではないので、この力を養成するための教育手法に「え~めんどくさいよ~」と考える傾向が、以前より増加したのではないでしょうか。

ただ、これは「文化の進展」による要因で、私が10代でも同じようになっていたと思います(苦笑)。

文化の進展に伴って、子どもたちに接する態度や、自分たち自身の態度を変えられなかった大人社会に、本質的な原因があります。

「大人社会全体が、スグに結果を求めるようになっていませんか?」

会社生活、普段の生活、子どもたちへの接し方…すべてにおいて。

スグに結果を求める社会になると…

・勉強することは大変だけど、そこで身に付けた力を元にすれば、その後随分ラクができる。
・勉強することそのものが大変なので、その場その場でラクになる方法を模索する。

明らかに後者の考えの人が増えますよね。
そんな大人を見ていたら、子どもたちも、「大変な勉強」をしたいなんて思うわけがありません。

以上の2点について、解決案を出します。

・たとえば携帯のメールが(子どもから)きても、「早く返す」必要がなければ、あえて時間をおきましょう。「間」を作る努力をしましょう。
もちろん、大人自身が、子どもをせっつくようなことをしてはいけません。

・自らが「勉強したらラクになった」という事例になるとともに、そのような人物伝をどんどんメディアで取り上げましょう!

ちなみに、僕自身、勉強は自らを随分助けてくれています。
いろいろな物事を処理する時間が早く済み、その分自分の趣味や家族とのコミュニケーションにあてる時間が増えています。

勉強することが、長期的に見たら、一番ラクする方法だ、と、子どもたちにうまく伝えていきたいと思っています。

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寺西 隆行

寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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