BtoB営業における行動力格差

2013.10.13

営業・マーケティング

BtoB営業における行動力格差

小倉 正嗣
株式会社リアルコネクト 代表取締役

最近、営業コンサルタントが活動量を増やす事を絶対的な売上改善手法であると語るケースが多くなっています。その風潮に一石を投じるために書き記しました。

2, 知識を元に顧客の問題解決となる『仮説』を妄想することを習慣とすること。
新聞の記事でも雑誌の記事でもなんでも構いません。現在起こっている事実が将来どうなっていくのかを妄想することです。その際に忘れてはならないことは、その妄想に対して「なぜならば」という自らが考えた確からしい理由を考えておくということです。妄想を『仮説』にまで昇華させるのには、データを集めたり実際にヒアリングをするなどのプロセスを経る必要があるのですが、妄想をするだけならばタダでいくらでも出来ます。この思考訓練が、営業活動を高度化させるのです。
むろん、様々な顧客を訪問する前に、困り事とその解決方法を妄想することを忘れずに。可能であれば、その妄想を上司や同僚に聞いてもらうことができればベストでしょう。

3, 立てた妄想を持って出来る限り数多くの商談をこなすこと
数多くの商談をこなすことの目的は、妄想の答え合わせを行うことと、妄想~答え合わせによるケーススタディを、より多く手に入れることです。知識拡充と思考訓練という一人よがりになりがちな行為を、実際の場で答え合わせをすることで、記憶にとどめることができます。
受験生時代に行った一問一答をちょっとした訪問ごとに行うわけですね。そうすることで問題解決思考の質が上がり、ケーススタディが蓄積されるのです。

ここで再び数多く商談するという「行動力」をベースとした考え方が浮上してきます。BtoB営業における行動力格差は、単にたくさん訪問するという短絡的なものではなく、学習と思考がきちんと行われた上での行動を如何に数多く行えるかという点であることを声を大にして申し上げたいのです。単に根性論で客先に大量訪問しなさいという指示であってはなりません。

ビジネスにおける行動力格差は、人間の「行動するのが億劫である」という基本的な怠惰に付帯して、自分を如何に律する事ができるかというマインド面の格差であることは冒頭に述べました。そして、その行動力格差論の正当性も論述しました。その行動力が営業というシーンにおいても絶対的な存在であることはやはり覆せない事実のようです。

BtoB営業には数と質のどちらも大事と申し上げましたが、数と質の強化は平等に行うことが正しい訳ではないようです。なぜならば、数の強化が質の向上よってもたらされることはあまりありませんが、質は数をこなしケーススタディを積み上げることで確実に向上していくからです。とはいえ、基礎的な知識の拡充と思考の訓練がされていない人間がいくら数をこなしても、ことBtoBの営業領域においては意味がないことは言うまでもありません。従って、行動量の確保と質の向上は3:1くらいの感覚で行っていくことが最適なのではないかと考える次第です。

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小倉 正嗣

株式会社リアルコネクト 代表取締役

【自己紹介】 BtoB営業組織改革・新規事業開発を専門とするコンサルタント。新規事業企画担当者・営業マネージャー・B2Bマーケッター・営業マン向けのセミナー/研修/ワークショップの講師・ファシリテーターを中心に営業組織改革、新規事業開発支援等のコンサルティングを行っている。 【保有資格】 中小企業診断士・経営管理修士(MBA)・日本酒利酒師

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