みのもんたセクハラ疑惑に見る企業内セクハラ発生の構造

2013.09.11

組織・人材

みのもんたセクハラ疑惑に見る企業内セクハラ発生の構造

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

本番中に女子アナウンサーの体に触れようとしたと騒ぎになったみのもんた氏。TBSはこれに対し「誤解を招く恐れがあるので『現場』を注意したとのこと。 企業組織におけるセクハラ発生の典型的な構造を見ることができます。組織管理上大きなリスクとなりかねない構造です。

ではイケメン男性が体に触れるのは良いのでしょうか?もちろんダメです。
ただ、これまた「触れられた側」が不快に感じなければ問題化しません。それは不公平不平等と思いますが。ハラスメント対処は組織管理が目的です。問題化しなければ『問題ない』のです。 これが管理者の立場です。倫理的不公平感は関係ありません。(ただし、不快に感じていても(被害者側が)言い出せない、耐えている、のであれば完全に問題になりますので、表面的な判断は危険です)
「不快に感じる人がいる」限り、それはハラスメントとなり得る訳ですから、それを禁止することがハラスメント対処です。
そこにパーソナリティや好き嫌いを持ち込むことは組織管理ではありません。問題化、問題顕在化させないこと。そのための可能性をすべて遮断することこそ組織管理者の役目といえるでしょう。

大阪市の校長がやはりセクハラで問題になりました。「大阪風のノリだった」などというばかばかしい言い訳があったとのことですが、全く組織を理解していない、管理者としての不適性以外の何物でもありません。被害を受けた女性がそれを広く認めたと、どうして認識できるのでしょうか。「大阪のノリ」は誰が定めたものでしょうか?
民間の力を活用するはずの大阪市で、校長やら区長やら、限られた人数の中で異常に高率で組織トラブルが発生しているのは、管理者としての適性を見抜けていない選考に大きく問題があると思っています。

いずれにしてもこのように一方的なコンセンサスを強要する姿勢がハラスメントの温床です。組織管理者が対処しなければならないことはこうした一方的な価値の押し付けが起こる社内環境です。
「人によっては喜ばれる」は、イクオール「喜ばれない」こともある訳です。
それを上司など、権力を持つ者が行えば立派な犯罪行為となります。それをうやむやにして現場に責任転嫁するというのは、正に問題の隠ぺいであり、組織としては危機的状況といえるでしょう。トヨタアメリカのセクハラ事件での賠償額は200億円ともいわれます。
むしろ視聴率も内容もマンネリ化した帝王司会者を切る英断の機会として活用できれば、TBSもリスクとコーポレートイメージでメッリトがあったのでは、と思ってしまいました。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

フォロー フォローして増沢 隆太の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。