夏休みの課題「リーダーシップを考える」感想文を書いてみる

2011.08.27

ライフ・ソーシャル

夏休みの課題「リーダーシップを考える」感想文を書いてみる

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

夏休みの宿題といえば読書感想文。さっそく良い子の夏休みにふさわしい本をいくつか買ってみました。元検事で現在服役中の田中森一、元山口組の後藤忠政、陸山会事件で係争中の石川知裕被告。そこから得られた教訓は「組織人とは」「リーダーとは」という問題提起です。

まずは「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」 田中 森一。

田中氏は特捜部出身のヤメ検でありながら、弁護士になってからは山口組の宅見若頭やら許永中、イトマン、コスモポリタンやアイチ等、一筋縄でない人たちと、クライアントとして、あるいは身近な存在としての交流を持っていました。自身は定時制高校を卒業し、岡山大学に入学。在学中に司法試験一発合格と、恵まれない境遇とは関係無しに並外れた頭脳で頭角を表します。

しかし結局石橋産業事件で懲役刑と弁護士資格剥奪を食らい、現在服役中となっています。

ジェットコースター人生を通じ、底に流れるニヒリズムと達観にも似た非現実感。何億円もする自家用ヘリを所有し、濡れ手で粟の如き顧問料収入がざくざくと懐に飛び込んで来る異常な宴が終わった今も、そのニヒルなトーンが変わっていないことに何とも魅力を感じます。

私は相手によって態度をコロコロ変える行為を最も恥ずかしい行為と考えています。一般人に対しいきがっているオニイチャンが、チンピラや本家暴力団員の前では小さくなるという手のひら返し等が一番恥だと感じるのです。田中氏のカッコ良さは、良い時も悪い時も一律な態度のトーンにある気がします。

この本は成功譚ではありません。なぜなら筆者は懲役刑で服役中だからです。しかし弁護士資格も無くなったこれから、それでも田中氏は復活するように感じられてなりません。定時制高校から弁護士へという、環境をものともしなかった氏の生き方が、大成功した時も、懲役を受けている今も、どこか超然として、現実感のない乾いた感覚に感じられるのです。

続いて良い子の読書感想文第2弾。
「憚りながら」後藤忠政。
五代目山口組若頭補佐で、経済ヤクザ、芸能ヤクザとも呼ばれる後藤忠政後藤組組長の自伝。
現在引退して得度をしたとは言うものの、泣く子も黙る後藤組という勇名を馳せた実力組長だけに、その交友は正に裏社会史といえます。
バブルの頃から企業や芸能との接点も増え、かつての独立愚連隊から山口組直参となり出世していく様は正統派出世物語でしょう。特に暴力団(筆者はそう呼ばれることを忌っている)という「組織」内における存在感と出世という視点では、組織人であれば誰もが共感できるものでしょう。それをやくざの義理・人情と、はしょることはせず丁寧に 説明する姿勢に、筆者の知性が感じられます。

特に心に響くのは「プロフェッショナリズム」という言葉。ヤクザと企業舎弟は別物だと説く。本当の根性を持っていなければヤクザではないという信念は、プロ意識として深みを感じるものでした。ちなみに今話題の紳助氏のことを小チンピラと呼んでいますが納得。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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