『置かれた場所で、笑って暮らす』

2013.06.28

開発秘話

『置かれた場所で、笑って暮らす』

喜田 真弓

顧客が営業マンに求めるのは、抱えている課題を商品やサービスによって解決に導いてくれること。さらに言えば、商品の性能が顧客のニーズにマッチしなかったとしても、顧客が困っている原因はどこにあるのか、どんな商品をどのように使っていけばいいのかといった適切な助言ができればなお良いだろう。

そんな理想像には、知識と経験の豊富なベテラン営業マンを思い描くかもしれないが、アシストには若手でありながら実績を出している営業が少なくない。西日本支社で営業を担当する石井雄輔もその一人だ。

石井は入社6年目。営業になった当初から、新人なのかベテランなのか分からない、とよく言われた。その風貌と自信にあふれた態度によるのかもしれない。石井が営業になりたての頃、初めて訪問したお客様先で、足を大きく広げて堂々と座る石井に、お客様の方から先に名刺交換を申し込まれた、とぼやく先輩社員もいた。

石井の大学時代の専攻は理工学部。だが就職活動をする際に、最も避けていたのがIT業界だったという。

「コンピュータに触れる時間が多くなるほど、その難しさに打ちのめされていたので、IT業界だけはやめておこうと思っていました。アシストの会社説明会に参加したのは本当に偶然です」

体育会でローラーホッケー部だった石井の学生時代は、理工学部というよりもローラーホッケー部出身と言ったほうがよいほど部活中心の生活。就職活動も部活の合間に行くという具合だったが、Web上で得られる情報ではなく、実際に会社を訪問して肌で感じる方が良いだろうと、アシストの説明会と懇親会に参加した。

「すぐに、アシストに入社します、と勝手に宣言しました。根拠のない、“ここなら楽しい”という確信を得たからです。そして本当に拾っていただき、感謝しています」と石井。

ある同期によれば、石井は採用面接の時、アシストの会長(当時社長)を、「ビル・ゲイツさん」と連呼していたらしい(実際はビル・トッテン)。面接担当者が、「うちはそんな大企業ではないよ」と言うも、本人は全く何のことかわかっていなかったという。それでも採用になったのは、その豪放磊落さゆえだったのかもしれない。

アシストに入社して新入社員研修の後、大阪で同期揃って技術職へ配属される。そして互いに切磋琢磨し始めてしばらくして営業部への誘いをうけ、2009年1月、入社時からの希望がかない石井は営業職となった。

願いがかなって営業職となったが、優秀な営業マンとしての頭角をすぐに現したわけではなかった。

「商談が決裂したりトラブルが発生して実損を出してしまったりと、いろいろなことがありました。トラブルが起きると、お客様からはもちろん、社内のメンバーからもお叱りを受けます。謝ること以外、自分にできることが何もない時、そこにいれば怒られるとわかっている場所から離れる理由がなぜか簡単に見つかる。それは自分の弱さ、卑怯さです。そしてその場から逃げた時は、“何もできないから何もしない”ということにとどまらず、往々にして火に油を注ぐ結果となりました。また逆に、頑張ろうという気持ちだけが先走っても、それでもやはりできませんでした、となる。そんな繰り返しでした」

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