「リバースオークションの誤解」

2013.04.24

経営・マネジメント

「リバースオークションの誤解」

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

以前から私がメルマガや筆書等でも触れていますが、今回は「リバースオークションの活用」についての誤解と真実について書きます。

今回は2009年8月に執筆したメルマガを編集し再掲します。というのは、近年特に公共セクターでリバースオークションの試行が行われているからです。
試行結果は概ね「大幅な経費削減効果が得られた。」とのことです。

以前から私がメルマガや筆書等でも触れていますが、今回は「リバースオークションの活用」についての誤解と真実について書きます。

まずは、「リバースオークション」とは何かということですが、これはある一定期間に電子的な手段を使って入札をさせるシステムやツールです。オークションは他社や最低入札価格、自社の現状の入札価格を参照して入札を続けるシステムです。いずれにしても価格と落札社を決定するためのツールであり、そういう点からインターネットオークションと相違ないものです。
ただ購買・調達業務での電子入札とYahooのようなCtoCのオークションの大きな違いが2点あります。

一つはCtoCオークションは売り手が複数の買い手を競わせるものであるのに対して購買・調達のオークションは買い手が複数の売り手を競わせるものであり、多くのケースでは開始価格から競り下げていくものという点です。
つまり購買・調達業務のオークションの殆どは「競り下げ方式」であり、そこから「リバース」という名前がついています。

もう一点は参加者の限定です。以前はマーケットプレイスのように購買・調達業務におけるオークションや電子入札も公開型で多くの売り手に機会を与えるケースが多かったです。しかし、業務上の守秘の問題や落札サプライヤが蓋を開けてみたらとても対応しきれずに、入札そのものが無効になってしまうようなケースが頻出したため、現在では殆どのオークションは非公開型の参加するサプライヤを事前に買い手が選定、指定する方式が殆どです。(多くの場合は事前に公募し参加サプライヤを限定するようです)

このようなニ点の違いはあるにせよ、一般的なオークションと購買・調達業務における「リバースオークション」はその役割・機能としては大きな違いはありません。売買業務を行う上で「オークション」は既に普及しており、企業によってはこのようなツールを上手く活用することで交渉業務の効率化・標準化を実現しています。このように既に「オークション」は一般的なシステムである、ということを理解してください。

それでは「電子入札・オークションの誤解」とは何でしょうか?

最大の誤解は「オークションを活用すればコストが削減できる」というものです。考えてみてください。技術、生産、数量、商業的な条件が同じであれば最終的に決まる価格は「落ち着く」ところなのです。それを通常の見積合わせや入札ではなく、競り下げ方式にするだけで、より安く決まることはあり得ないのです。しかし、これを別の視点で考えると「オークション=コスト削減」という錯覚に陥ることがよくわかります。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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